日本糖尿病協会が、糖尿病の名称の変更を検討する方針を打ち出したと、先日報道されていました。( → こちら
血糖患者を対象としたインターネットアンケートの結果、9割の人が病名に抵抗感・不快感を示したとか。
また、糖尿病に対する誤った認識が偏見を助長し、差別を生んでいるとしています。

これは、日本人の根底にある言霊信仰とそこから派生する言葉狩りのように思います。
名称を変更したとして、この疾患に対する認識が改まるでしょうか。
医療系のサイトで医師に対して行われたアンケートでは、6割以上が名称変更に反対しており、名称変更は偏見払拭の解決にはならないという理由を多く見受けました。
名称変更を検討する時間を、多くの方に糖尿病に対する正しい知識を持つように啓蒙していくことに割くべきじゃないかとも思うのですが。


過去には

「癩」→「ハンセン病」
「精神分裂病」→「統合失調症」
「慢性関節リウマチ」→「関節リウマチ」

などの変更がありました。
その経緯はネットで調べるといくらでも出てきますので詳細は書きませんが、いずれも言霊信仰が絡んでいるように私には思えます。

一方、「原発性胆汁性肝硬変」は「原発性胆汁性胆管炎」へと名称が変わりました。
治療法が見つかって肝硬変まで進展しないことがほとんどで、病態を正しく反映していないため、世界的に名称変更の機運が高まっていました。
いずれの疾患名でも英語での略号が「PBC」で変わらない点もあって、世界中の医療関係者に割とすんなり受け入れられました。


つい最近、世界糖尿病デーのニュースを見ていたら、中国でも「糖尿病」と表記すると知りました。( → こちら )
糖尿病の名称変更、今後どういう展開を見せるでしょうか。