◆ 診療所ライブラリー 174 ◆


うんこのひみつ「知られざるうんこの秘密やうんこが持つ別の顔、そしていにしえのうんこの歴史を多数紹介する」と謳うこの本。
その通り、うんこに関して非常に興味深い情報が満載の本です。

宇宙飛行士のうんこがとても臭い理由、病気や美容にうんこが使われてきた歴史など、見開きで小学生にも理解できるやさしい言葉でエピソードが綴られています。


日本においては、し尿を買い取ったり農作物と交換したりして農地の肥料にするシステムが鎌倉時代から確立していました。
買い取られるし尿にはランクが有り、一番高く買い取られるのが大名屋敷のもの。
対して安かったのが牢獄のものだったというのは、この本で初めて知りました。

欧州では路上に捨てていた時代もあったわけで、この点では日本の衛生度は高かったと言えます。
しかし、ピロリ菌を含む寄生虫感染も循環させていたことになります。( → ピロリ菌の本当の感染ルート )


また、海外ではウシやネズミ・ゾウなどのうんこが薬として活用されていたことが本書で紹介されています。
日本の例は書いてありませんが、以前紹介した「旅行用心集」という江戸自体の書物の中に、船酔いで嘔吐した後に便を飲め、とありました。
旅行用心集では、しきりに旅のお供に五苓散を勧めていますが、船酔いへの対応の項目では登場しないのが不思議。
五苓散を事前の服用すると、酔い止めに効果があるんですけどね。( → 旅行に持っていくと重宝する漢方薬 )


うんこについて大人も子供も楽しく学べる良書ですよ。


参考 → 今日のうんこ