野口内科 BLOG

  野口内科は鹿児島市武岡に開業して46年を迎えました。
  当ブログでは、当院からのお知らせ、医療・健康に関する情報の他に、近隣の話題、音楽・本のこと等を綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:00 (金曜は〜18:30)
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
    院長   野口 仁

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みぞおち

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「野口内科 BLOG」を始めて5年を越え、これまで書いた記事も800近くになってきました。
これまでは検索サイトで過去の記事も比較的容易にヒットしていました。
しかしPotika 閉鎖に伴い昨年末にブログの引っ越しを余儀なくされてから検索できなくなってしまったものが相当数に上ります。
ブログの移転をした経験が過去にあったのである程度は予想していたのですが、アクセス数が大幅に落ち込んでしまっている状態です。
多くの方に参考にしていただいていたのに埋もれてしまっては申し訳ないので、過去の記事を振り返って紹介してみる企画をお届けしようと思います。


4c238bc0.gif初回はこれまで最もアクセスが多かった記事。
それは2008年6月に書いた「みぞおちに硬いしこりが・・・」 です。
Googleにて「みぞおち」「しこり」というキーワードで 検索するとかなり上位にヒットしていたのでアクセスが多かったものと思います。
この中で紹介したように誰にでもある剣状突起をしこりと勘違いして不安に思い、外来を訪れる方が後を絶たないので書いたものです。
5回にわたってお届けした心窩部にまつわる話」は、これを一番書きたくて作ったような連載でもあります。
その効果があってか、最近は同じような訴えをされる方がめっきり減ったように思います。 

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これまで綴ってきたこのブログの中で一番アクセスが多い記事は、3年近く前に書いた「みぞおちに硬いしこりが・・・」なのですが、私が思っていた以上にアクセスをいただいているのが、ちょうど 1年前の「耳にゴキブリ」。
この記事の中で「本の表紙になるくらい耳にゴキブリが入るのはよくあることなのでしょうか ?」と書いたのですが、アクセスが多いということは実際にお困りの方が大勢いらっしゃるのでしょうね。

あと、年に 1回テーマを決めて書いているもの、例えば「胃食道逆流症」や「宿便について考える」なども根強く読まれています。

これまでの傾向を踏まえ、今後も充実した情報提供を心がけていきます。

potika.gif
「野口内科 BLOG」がこの Potika でお世話になるようになってちょうど1年になりました。

ブログを引っ越しした理由はいろいろあるのですが、この Potika は鹿児島に密着したブログポータルということで武岡の話題なども綴る私のブログ内容に適ったもので、使い勝手も概ね満足しています。
ただ、最近サーバーが若干重たいのが気になりますので、この点は改善をお願いしますね。

最近はどういうわけか 2年前に書いた「みぞおちに硬いしこりが・・・」をよく見ていただいているようです。
過去の記事でも疾患に絡んだものには今でもたくさんのアクセスを頂いています。
一般の多くの方に難しい医学を分かりやすく解説していくことはこのブログの理念の一つでもあります。
宿便について考える」「心窩部にまつわる話題」など、年に一度テーマを決めて消化器分野のことを書いてきましたが、今年もぼちぼち新しいお題をお届けしようかなと思っています。

rww7yidy.gif《 心窩部にまつわる話 5 》 


「みぞおちに、硬いしこりがあるんです。癌じゃないでしょうか ?」

診察室の椅子に座るなり、心窩部を指さしながら心配そうな顔でそう訴えて来られた方。
お話をしっかり聞いた上で診察をさせていただきます。

「これですか ?」
「そうです。ほら何か硬いのがあるでしょう」

触診で、しこりだと訴えのある場所を確認して私はにっこり。

「私の同じところを触ってみてください」
「あれっ !? ありますね固いのが」
「これは誰にでもあるものなんですよ」
「えーっ、そうなんだ」

しこりの正体は剣状突起
図の赤く塗った部分がそれにあたり、誰にでもあるのです。

今まで何例あったでしょうか、このような訴えで来院される方がたまにいらっしゃいます。
ということは、これから先も同じような心配をされて病院に足を運ぶ方がいらっしゃるかも知れません。
自分の体のことでありながら、知らないことって多いですよね。
図を参考にして、剣状突起に該当しそうにないしこりであれば病院へ行って診察を受けて下さい。


なお、剣状突起は生まれた時は軟骨ですが、加齢とともに徐々に骨化してきます。
外傷や妊娠で、剣状突起が突出してきて痛みを生じることがあります。
また、サーフィンなどで硬い物の上に腹ばいになる刺激によっても痛みが出ることがあるようです。




iugfeigj.gif《 心窩部にまつわる話 1 》  


多くの方を診察していると、いろいろと面白い場面に遭遇することがあります。
例えばこんなちぐはぐな会話。


「3日程前から胃が痛いんです。」
「そのおなかの痛みは食事と関係ありますか ?」
「おなかじゃありません。胃です !!」


胃もおなかの臓器の一部と私は認識しています。
しかし、胃とおなかをその人なりに区別する基準を持っておられる方がたまにいらっしゃるのです。
いわゆるみぞおちの辺り、その部位に限定した症状であることを訴えたいことは十分に伝わります。
医学的にこの場所を「心窩部 (しんかぶ)」と言います。
図のように腹部を9等分した時に、Aの部分に該当しますが、明確な境界線があるわけではありません。

「窩」という漢字は一般にはなじみが薄いと思いますが、医学の世界ではよく見かけます。
「膝窩」「眼窩」「ダグラス窩」「梨状窩」・・・。
要するに窪みを形成している場所を指し示す際に用いられています。( 現代人では窪んでいない人が多いですが )
みぞおちになぜ「心」の字が使われているのかはよくわかりません。
体の中心という意味だと理解しているのですが、もしかしたら東洋医学と絡んでいるのかも知れません。

ちなみにみぞおちは漢字で「鳩尾」。
このあたりの形状が鳩の尻尾に似ていることからこのように書くそうですが、似ていますか ?

そんな心窩部にまつわる話を何回かに分けて述べてみたいと思います。


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