野口内科 BLOG

  野口内科は鹿児島市武岡に開業して46年を迎えました。
  当ブログでは、当院からのお知らせ、医療・健康に関する情報の他に、近隣の話題、音楽・本のこと等を綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:00 (金曜は〜18:30)
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
    院長   野口 仁

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サルコペニア

ベートーベン〖 今月のつぶやきから 135 〗


鹿児島は11月上旬のおはら祭りが終わると寒くなり、3月上旬の鹿児島マラソンが終わると暖かくなってきます。
あちこちで春の巡りが感じ取れます。

ツイッター上で日々つぶやいている医療情報を、月末にピックアップしてブログにまとめておとどけしている「今月のつぶやきから」。
今回は、11個の情報を振り返ります。


最初は先月に引き続き、運動に関連した情報からです。

① 50代に入ってから衰えが目立ってくる筋力をいかに維持するか、大事です。

② ウォーキングにかける時間を増やせないのなら、途中に負荷の高い早歩きを混ぜるのが効果的です。

③ 遅筋と速筋のバランスを整えるといろんなメリットが得られる可能性がありそうです。


次に、毛髪に関する話題を3つ。

食毛症と呼ばれる疾患がありますが、毛髪は消化されませんし、胃の中で大きな塊になると手術で取るしかありません。

⑤ 先の食毛症と抜毛症を合わせてラプンツェル症候群と呼びますが、アルツハイマー型認知症に使う薬が有効であるという報告。

⑥ カツラをかぶらずに活動した初めての作曲家、ベートーベンの毛髪が残っていたんですね。


3番目は、糖尿病関する話題を2つ。

⑦ 消化器疾患も糖尿病も診ていますが、ピロリ菌除菌が1型糖尿病の転機を改善するとは思ってもみませんでした。

⑧ カフェインの代謝には個人差があり、私も代謝が遅いタイプではないかと思っていますが、そうだとすると糖尿病のリスクが少ないようです。


最後に、個人的に興味のあった話題を3つお届けします。

⑨ DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸が多い人は新型コロナウイルス感染症で重症化しにくいようです。


⑩ 診断が難しいし、有効な治療法も確立していない好酸球性食道炎、ミルクを抜くと症状が緩和するとは。

⑪ 10年以上前にも減塩で心血管死が増えるという報告がありました。

 ◆ 診療所ライブラリー 157 ◆


日本一わかりやすい筋肉の本世の中、筋肉ブーム。
特に、若い女性がダイエットの延長で、ボディメイクと称して美しい体作りのために筋トレを取り入れているように思います。

2007年に日本整形外科学会から「ロコモティブシンドローム」( 通称「ロコモ」) という概念が提唱されました。
これは、運動器の障害によって移動機能の低下した状態を言い、進行すると介護の必要性が高くなると指摘されているものです。

ロコモの中で、筋力が衰えることをサルコペニアと呼びます。
握力や歩行速度の低下は日常生活にも大きな支障を生じるだけではありません。
握力が5kg低下すると率が16%増えるとか、歩行速度の低下は認知症のリスクであるなどの報告もあるのです。

筋肉は体を動かすのに必要なだけではありません。
血糖や中性脂肪の調節にも大事な役割があります。

50歳代に入ると筋力が衰えが目立ってくると言われています。
私がジョギングを始めたのも、お尻や太ももがしぼんできたのが一番の理由。
職業柄、ロコモから介護が必要になった方や、運動しないために糖尿病や脂質のコントロールが悪くて大きな疾患に繋がっていった方を多くみてきています。
メタボを指摘された方やアラフィフ以上の方は、将来を見据えて少なくとも下肢の筋力だけは衰えさせないようにして下さいね。

今回紹介するのは、体の主だった筋肉の働きや鍛え方を簡潔にイラスト入りで解説してある本です。
自分の体の働きを理解するとともに、いつまでも活動的でいられるように、是非参考にしていただきたいと思います。

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