のむこのところ、立て続けに低ナトリウム血症の患者さんを診ました。
聞けば、意識して水分を取るようにしていると答える方がほとんど。
テレビなどで1日に1.5 ~ 2リットルは飲めと言ってるから、と判を押したような返事が返ってきます。
テレビの影響というのは本当に大きいですが、血液中のナトリウムが薄まってしまうくらいの飲水は明らかに過剰。
中には、倦怠感など低ナトリウム血症の初期の症状が出ている人もいます。

そして、多くの方が血液がサラサラになると勘違いをしています。
脱水になればヘマトクリット値 ( 血液中に占める血球の体積の割合 ) が大きくなるのですが、水分を補ってヘマトクリット値が落ち着けば、それ以上低下することはないのです。
この点については 2年前の記事で解説していますので参照して下さい。( → 「水はたくさん飲め」という指導の間違い )

そもそも水分の必要量は、体格や運動の有無、気象条件によっても異なってきます。
体に水が不足したら、「のどが渇く」という体に備わった仕組みでちゃんと知らせてくれます。
無理をしてまで飲む必要は全くありません。
そのような指導の結果、ナトリウム値が回復して倦怠感もなくなった方、多いですよ。