阪神淡路大震災をきっかけに普及したお薬手帳を開くと、他の病院で出されている薬を知ることが出来ます。
そうすると、一体何を目的にしているのか訝しい処方内容を目にすることがあります。
私の処方もお薬手帳を通して他の医師や薬剤師の知るところになるわけですが、その時に患者さんの疾患背景がしっかりと浮かび上がるような内容になっているのではないかと自負しています。
患者さんの状態と薬の効果。副作用・相互作用をよく吟味して、投薬の必要性の評価を折りに触れて行っていると、自然と処方内容がシンプルになってきます。
私の減薬の考え方については「内科学会雑誌の減薬に関する症例提示、まだまだ手ぬるいと思います」に書いていますのでご覧になって下さい。
特に高齢者における多剤併用 ( ポリファーマシー ) の問題はここ数年クローズアップされてきています。
しかし、高齢者の身体特性を意識した薬の使い方がまだまだ十分とは言えないのが現状。
今回紹介する本は、処方を受けている側の患者さんやそのご家族向けの内容になっていて、このポリファーマシー問題について認識していただけるものと思います。
ポリファーマシーは処方する我々医師の方が十分に配慮しなくてはならない問題ですが、高齢患者さんの側もご自身に処方された薬についてしっかり理解して、ご自身の問題として気をつけていただきたいと思います。