野口内科 BLOG

  野口内科は鹿児島市武岡に開業して46年を迎えました。
  当ブログでは、当院からのお知らせ、医療・健康に関する情報の他に、近隣の話題、音楽・本のこと等を綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:00 (金曜は〜18:30)
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
    院長   野口 仁

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マスク

ちょうど1年前に「マスクで表情が読み取れない子供たち」と題した記事を書きました。
マスク着用が当たり前の世の中で表情を読み取るスキルが身に付いていない未就学児が多く、マスク不要となる日が早く戻るのを願うという内容のものでした。


マスク無し5月8日から新型コロナウイルス感染症の法律上の位置づけが変わり、マスク着用が任意となりました。
実際にマスクを付けない人を見る機会も増えています。
ある程度、新型コロナウイルス感染が増えることは予想していましたが、意外だったのがインフルエンザが流行り出したことです。
昨年同期の3700倍の感染者が確認されているようですが、梅雨時のインフルエンザ流行は経験したことがありません。
当院近くの小学校では学級閉鎖もありました。

発熱外来での対応も忙しくなってきており、インフルエンザと新型コロナウイルス感染症が半々といった印象です。
新型コロナ対策に躍起になっていた際に、この両者の同時流行を国も恐れていましたが、それがまさに今起っているのです。

マスクが要らない、なんてまだまだ早いのではないか。
そう思って、ご自身とご家族の健康を守りましょうね。 

政府より、3月13日以降マスク着用は原則として個人の判断に委ねるとの方針が示されました。

しかし、当院外来には重症化リスクの高い方々が通院しており、引き続きマスクの着用をお願いすることにしました。
ご自身や周囲の方々を感染から守るために、皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げます。


特別な事情なくマスクの着用についてのご理解いただけない場合、当院への入館や診療をお断りすることがあります。

マスク着用


先週当たりから鹿児島県のCOVID-19 ( 新型コロナウイルス ) 発症例が1000例を超えてきました。
他の都道府県の発症例が多いため、都道府県別の人口10万人当たりの感染者数は鹿児島県は下から2番目と低い状態が続いています。

全国的に薬の不足が問題になってきています。
咳止めや漢方薬などは出荷調整が続いており、医療機関で風邪やCOVID-19と診断できても症状を緩和する薬を手にすることができない可能性が高まっています。
市販のものなら総合感冒薬や漢方薬もまだ入手できるようですが、今後どうなるか予断を許しません。

♦♦♦♦♦

ご存知のように海外ではマスク着用の義務がなくなったところも多いようです。
しかし、米国では新型コロナに加えてインフルエンザとRSウイルスの3つのウイルスの同時流行が懸念され始め、マスク姿が復活してきているとか。( → こちら )

マスク一方、日本ではマスク着用のルールが緩和されても着用を続けたいとする人が76%に達するという報告がありました。( → こちら )
その理由として、女性では「化粧をしていないことを隠すことができるため」がトップに上がっていました。
COVID-19感染症が収束しても、日本ではマスクを自主的に着用する人が当面の間多いことが予想されます。


我々の診療においても必須となったマスク。
これまで様々な種類のマスクを着用してきました。
入手困難の時は手当たり次第でしたし、国や医師会から配給されるマスクがその都度異なるためです。
中にはクオリティが決して高くないものがありましたし、パッケージの写真と実物が全く異なる中国製品もありました。

そんな中で私の一番のお気に入りは「JMS サージカルマスク ゴムタイプ カップキーパー(M37シリーズ
」です。
最も感心したのはノーズピースで、鼻や頬の形にピタッとフィットして空気の漏れがありません。
それでいて圧迫感などを感じることが全くないのです。
眼鏡着用の方も曇ることがないと思います。
また、マスクの中央にカップキーパーが付いており、鼻や口に密着しないように空間を確保してくれるので呼吸がとても楽にできます。
ゴムも優しくて耳が痛くなりません。
マスクといえども細部にまでこだわり抜いた逸品です。
一般の方にも入手しやすくして欲しい商品だと思います。


感染しても治療のための薬がない、という状況を避けるためにも、マスク着用を当分は続けていただきたいと思います。 

先日見つけたニュースで、マスクの有無による表情の読み取りに関する論文が紹介されていました。

3~5歳・6~8歳・18~30歳を対象にして、いくつかの表情を浮かべた画像をマスクの着用・非着用の状態で提示し、感情の読み取りをさせたもの。
マスクを着用した「幸せ」の表情について、成人は84%が読み取れていたのに対し、6~8歳では65%、3~5歳では39%であったようです。

マスク姿未就学児がどれだけ「幸せ」という意味を理解しているのかわかりませんが、非常に大きな問題提起となる研究だと思います。
ここ3年ほどマスクを着用することが当たり前になっており、未就学児が他人の表情を読み取るスキルを身に付けづらい状況が起こっていると思います。
表情筋の発達したヒトにおいて、表情はとても大切な非言語的コミュニケーションツールです。
今しばらくは、マスクを外しても憚ることのないご家庭内で、親御さんがたっぷり表情を作っていただく機会を増やしていくのが良いのではないかと思います。
にらめっこなんかいいかも知れませんね。


普段の診療でも、来院された方がどれだけつらい症状に困っているのか測りかねることもあります。
また、最近新たに定期受診されるようになった方々の顔を非常に覚えづらい状況が続いています。
マスクが不要となる日常が早く戻ってくるといいですね。

新型コロナウイルス ( COVID-19 ) の感染・流行状況を踏まえ、マスク着用についての政府見解が5月20日に発表されました。

それによると

・屋外では周囲と2m以上の距離が保てなくても会話をほとんど行わない場合は着用は不要
 ( 散歩・ランニング・自転車移動・徒歩での通勤など )
・屋外でも人ごみや会話をする場合は適宜着用
・公共交通機関での通勤や通学時は着用を推奨
・学校では屋外の運動場やプールでの体育授業、熱中症リスクが高い時の登下校では不要
・2歳以上の未就学児については、マスク着用を一律には求めず無理に着用させない

という内容でした。

マスク大まかなことは事前に伝わっており、歓迎する方が多いのかと思いきや、戸惑いや不安を漏らす患者さんの方が圧倒的です。
日本人の特性を考えると、マスク着用をこれまで通り続ける人が圧倒的だと思います。
化粧や髭剃りを省けるのにメリットを感じている方もいますし。
ただ、これから暑い時期を迎えると外す人が増えてくるのではないかと私は予想しています。

海外では、マスク着用義務をなくしている国も増えています。
しかし、米国ではCOVID-19が増加傾向を示す都市があり、更にインフルエンザが流行り出したとか。
やはり、基本的な感染対策は続けていく方が良さそうです。

我々医療関係者は、COVID-19流行以前からマスクを常用して臨床に当たることも多かったので、これまで通りの対応になると思います。
外来受診の際は、これまで通りマスク着用をお願いします。
鹿児島県は国内でも新規発症例が多いので、当院スタッフは今しばらくマスクだけでなく目の粘膜を守るためにフェィスシールドも続けていくつもりです。


11月3日から与論島で再び新型コロナウイルスの感染例が報告され、5日までに24例が確認され、与論島で2度目のクラスターと認定されました。情報によると、職場や学校でマスク着用をしていない人もいたとか。
まだまだ、新型コロナは収束する気配がないので、三密を避け、マスクを着用し、手指消毒を怠らないようにしたいものです。

♦♦♦♦♦

そのマスク着用について、日常の診療の中での小さなエピソードを3つ、綴ってみたいと思います。


○○○ その 1 ○○○

あごマスク診察室に入ってくるなりマスクを外される方、顎の方へずらす方がいらっしゃいます。
そして、なぜか饒舌だったりします。
私の方からマスクを外すように指示することがあります。
咽頭や首のリンパ節を触診する時などですが、それ以外の際は、原則着用したままで診察をさせて下さいね。



○○○ その 2 ○○○

仮面新型コロナ禍が始まってから、当院に定期的に通院されるようになった方が複数いらっしゃいますが、なかなか顔が覚えられません。
マスクなしの顔を一度も拝見したことのない方もいらっしゃいます。
多分そのせいでしょう。
何回も通っていただいているのに、カルテの名前を見ても、その方のイメージが全く想起できないこともあります。
ヒトがヒトの顔を記憶する時に、鼻や口、顎のラインが大事なのでしょうか。
それとも顔全体なのでしょうか。
そんなことを思いながら診察にあたっています。



○○○ その 3 ○○○

フェースシールド聾唖の患者さんが何名かいらっしゃいます。
その方々を診察する時、私はマスクを外してフェイスシールドを着用します。
最初のうちはマスクをしていましたが、どうもしっくり来ないのです。
聾唖の方々は、表情や口の動きも捉えておられるようなのです。
筆談が中心なのですが、それだけでは伝わらない何かがあります。
それに気づいてから、フェースシールドの内側でオーバーアクション気味に表情を作るようにしています。
これまでよりもコミュニケーションがしっかり取れているような気がします。

アベノマスク政府支給の布マスクには「アベノマスク」という通称がすっかり定着し、海外にもその名が知れ渡っています。
Wikipediaにもしっかりと詳細なページが作られています。
5月中に全戸に届ける、と息巻いていましたが、我が家にはぎりぎりの5月31日に届きました。
日曜日だったのにありがたいことです。

マスクの配布には様々な問題が指摘されています。
家族構成に関わらず各戸2枚というのはさて置き、学生寮にたった2枚だけとか空き家のポストに入っているなどの事例があるようです。
先日は、集合ポストからアベノマスクを盗んだ高齢者が逮捕されていましたけど、その言い訳が、空き部屋だと思ったからというものでした。

また、不要と判断される方々の間では寄付の動きもあるようです。
なぜかその動きを牽制するような官房長官の発言もありましたが、その意図が全く理解できません。
こういう自発的な動きは、日本国民の民度のレベルが違うからだと思いますけど ( 皮肉 ) 。

我が家でもいろいろ検討した結果、アベノマスクとは別に鹿児島市が配布した5枚のマスクと共に、知り合いを介して路上生活者に届けていただくように段取りを終えました。


かつては30枚入りのマスクが売られていた百円ショップでは、今は3枚入りが売られています。
商品棚に全くない時期に比べると、いつでも買える状況になってきましたけど、もう少し値段が下がって欲しいものです。


参考 → マスク着用は何のためか、再確認

新型コロナウイルスの新規感染者数が大幅に減り、多くの県で緊急事態宣言が解除されました。

マスク姿海外でも様々な制限が解除される傾向にあるのですが、外出時にマスク着用を勧告している国がほとんどですね。
海外ではマスクをする習慣がなかったため、着用している東洋人が危害を加えられることが以前からあったようです。
イスラム女性のブルカやニカブを法律で禁止する国もあるくらいですから、マスクも奇異に感じていたのでしょう。

ここで誤解してはいけないのは、感染防御の目的でマスクの着用が勧められているわけではないということ。
新型コロナウイルスに感染しても症状が出ない ( 不顕性感染 ) 事例が多いため、もしかしたら自分自身がウイルスを持っているかも知れないという前提の下、他人に感染させるリスクを減らすためなのです。
その点において一定の効果があると判断しての勧告なのです。
感染防御の基本はあくまで手洗いであることは忘れないで下さいね。( → 「マスクより手洗い」)
そして、人との距離を2メートル以上確保することです。

♦♦♦♦♦
 
マスクの流通が徐々に改善しつつあり、1枚あたりの値段も大幅に下がってきています。

鹿児島市医師会からゴールデンウィーク前に医療用マスクが確保できる見通しが立ったという連絡がありました。
ただその値段が100枚で5900円だったので購入希望は出しませんでした。
というのも先月から、ネットショップなどのマスクの価格の定点チェックをしていたからです。

マスク箱ゴールデンウィーク前で既に1枚あたり50円を切る価格がちらほらと目に付いていました。
今月に入ってからの価格崩壊も凄まじく、15日現在で1枚あたり20円を切る値段を打ち出した所も出てきています。
従来の価格に戻るのにはもう少し時間がかかるかも知れませんが、安くなったからと大量に購入してしまうと、後々更に低くなった値札を見てクラクラするかも知れません。
どうしても必要な時に最小限の量を購入するのが賢いのではないかと思います。

≪ 過去記事ウォッチング 24 ≫


中国で発生した新型コロナウイルスによって、世界的にマスク不足に陥っています。
そもそもマスクにあまり予防効果がないのに、中国政府が国民にマスク着用を呼びかけたのがきっかけだと思います。
シンガポール政府が「健康ならマスクを使わないで」と呼びかけたり、台湾では「私はいいのでお先にどうぞ」運動が起きたりと、まっとうな動きが出始めています。


一連の新型コロナウイルスの報道の中で、マスクよりも手洗いが重要であることが解説されていますが、きっちり理解されているでしょうか ?
Semmelweisその手洗いの重要性を世界で最初に説いたのが、ゼンメルワイスというハンガリーの医師です。
当ブログでは、彼の生涯を描いた本を2017年に紹介しています。
今回の騒動もあるので、改めて記事を読んでいただきたいと思います。


→ 「手洗いの疫学とゼンメルワイスの闘い

本の内容もとても素晴らしいので一読をお勧めします。


今でこそ「感染防護の父」と崇められるゼンメルワイスですが、彼の功績が認められたのは、彼の死後。
フェノールによる消毒法を開発したリスターによって再評価されてからです。
ゼンメルワイスが亡くなった1865年には、学校の理科で習うメンデルの法則が発表されますが、このメンデルの功績が評価されるようになったのも、彼の死後、35年も経ってからのことでした。


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