3月18日、チュニジアバルドー博物館で痛ましいテロ事件が起こりました。
ジャスミン革命以降、現地を訪れる日本人が年間6000人台に落ち込んでいる中で、邦人に 3人の犠牲者と複数のけが人が出てしまいました。
クルーズ船による寄港で半日程度の慌ただしい滞在時間の中での出来事だったようですから、本当に不運としか言いようがありません。
ご冥福ならびに早期の回復をお祈り申し上げます。

私が最初にチュニジアを訪れたのは新婚旅行の時。
なぜチュニジア ?、とよく聞かれます。
以前、エジプトからモロッコまで地中海の南岸づたいに旅ができたら面白いだろうなと思いついたことがあります。
エジプトとモロッコは昔から観光地として日本人にもおなじみの場所ですよね。
エジプトの西隣のリビアはかつてカダフィ大佐が鎮座している時は個人旅行が認められていませんでしたし、モロッコの東隣のアルジェリアも国内でのテロが頻発していて外務省が渡航自粛を発出していた時期もあります。
そんなリビアとアルジェリアにはさまれたチュニジアもさぞかし危険なのだろうと思いながらいろいろ調べてみると、観光資源に恵まれたなかなか魅力的な国ではないですか。
日本人が知らないだけで、ヨーロッパの人たちはチュニジアでバカンスを思いっきり楽しんでいるのです。
実際行ってみると、美しい地中海に面したリゾート地、カルタゴやローマ時代の遺跡、そしてサハラ砂漠と、どこへ行ってもワクワクで新婚旅行にも相応しい場所でしたよ。
魅力いっぱいでたくさんの楽しい思いでができたので、結婚15周年の時に子供たちを連れて再訪もしてしまいましたし。
オスマントルコ時代の宮殿を活用したという建物も素晴らしいバルドー博物館には、新婚旅行の時に足を運びましたが、チュニジアのローマ時代の遺跡から収集されたモザイクタイルの数々に圧倒され感嘆しきりでした。

神戸在住時の2002年に日韓ワールドカップが開催された際に、チュニジア代表の試合が神戸で組まれたことで三宮にチュニジアを紹介するブースが設置されました。
そこにはバルドー博物館の関係者もいて、モザイクタイル作りの実演もしていました。
その場で購入したのが下の写真のモザイクで、今は自宅の庭の装飾として使っています。

チュニジアが、バルドーが、モザイクが、常に私の身近にあります。
歴史や文化の多くに接してきて思い入れが強い分、心の波立ちはしばらく収まりそうにありません。
しかし、賢いチュニジアの人達が国際社会と手を取りあって事態の拡大を許さないことは間違いないでしょう。


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バルドー博物館のモザイク タイル