○○ 学会レポート2012 その5 ○○


キャンディ経鼻による検査が普及して、内視鏡検査は苦しいものという印象がだいぶ変わってきました。
しかしまだまだ改善の余地があるのも確かで、多くの内視鏡医が様々な工夫を凝らしています。
「患者にやさしい上部消化管内視鏡検査の工夫」というワークショップでは諸先生方のアイデアが提案され、とても参考になりました。

自分もたまに経鼻内視鏡検査を受けるのですが、一番つらいのが前処置の鼻から咽頭にかけての麻酔でむせてしまうことです。
当院では採用しているのは最も丁寧な前処置とされるスティック2回法で、リドカインのビスカスを用いています。
ところがビスカスではむせることが多いのでスプレータイプのものが良いという報告がありました。
また、リドカインに砂糖を混ぜて飴を作り舐めてもらうことで咽頭がまんべんなく麻酔できるし、苦味がないので患者さんにも好評だという発表もあり、かなり注目を集めていました。
ひそかにリドカイン飴ブームが起こっているのではないでしょうか。
いくつかを参考にして、当院でも前処置の改良を行ないたいと考えています。

あと興味を引いたのは、内視鏡医によって胃への送気の仕方が全く異なるというデータ。
患者さんにとって楽でしかも見落としのない検査法が、いろんな指標で示されて標準化する可能性も将来ありうるのではないかと思いました。

今回の学会、最終日は仕事の都合で出席が適いませんでしたが、有意義な3日間でした。
来年春の日本消化器病学会は地元鹿児島で開催されますので、是非参加しなくては。