心療内科が ◆ 診療所ライブラリー 72 ◆ 


一般かかりつけ医と精神科・心療内科の先生との連携強化を目的とした「不眠ネットかごしま」という事業が準備段階にあります。
そんなこともあって今回ご紹介するのは「心療内科がわかる本」。
心療内科という診療科を正しく理解してもらうことを目的に書かれた本で、文章が重々しくないので単に読み物としても楽しめる内容になっています。 
心療内科で行われるカウンセリングの手法の一つ、交流分析について多くのページが割かれていますが、これは普段の社会環境の中での対人関係を築くのにも役に立つのではないでしょうか。

この本の中では具体的な疾患について心療内科の治療が奏功した例が多く提示されています。
しかし、書かれているもの全てが心療内科で治るとは限らないことは注意しておきましょう。
例えば、過敏性腸症候群 ( IBS )。
ストレスとは関係なく腸管の感染を起こした後にこの疾患に特徴的な症状が出ることがあるのです。
これを感染後過敏性腸症候群 ( Post infectious IBS ) と言い、研究者も注目している病態です。( 参考 → 過敏性腸症候群の治療薬 )
また、咽喉頭異常感症という疾患についても胃食道逆流症との関連が考えられるようになってきています。( 参考 → 胃食道逆流症の治療2のど元で胃液が作られる !? )
内科と心療内科が協調して疾患に悩む人たちが救えるようになるといいですね。

 → 心療内科がわかる本