野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して43年の野口内科です。
  医療・健康に関する情報はもちろん、近隣の話題、音楽・本のことなどを綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:30
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
         ▶▶▶ アクセスMAP
         ▶▶▶ バス路線図

インフルエンザ予防接種は10月1日から。65歳以上の方、60歳~64歳以上で心臓や肺に疾患のある方を優先します。



介護

 ◆ 診療所ライブラリー 146 ◆


笑って付き合う認知症 榎本睦郎これまで様々な疾患に関する本を紹介してきましたけど、専門家の書く文章は兎角堅苦しくて重々しい内容になりがちなのが常です。
今回紹介する本「笑って付き合う認知症」は、認知症という治療するにも介護するにも課題の多い疾患を取り扱っているものであるにもかかわらず、読後感がとても爽やか。
認知症に向き合うのはそんなに負担になることではないんだな、と思わせてくれる不思議な魅力があります。

認知症の診療は避けて通ることはできません。
進行していくのを食い止めるのは現時点で難しい疾患なので、診察にあたっては気の重い部分もあります。
しかし、それはかなり症状が進行してから治療にとりかかる例が多いからのように感じます。

この著者が言うように、早期に適切な治療を受けるなら認知症はそれほど怖いものではないのも確かです。
そのためには認知症を早い段階で捉える必要があります。
外来診療の短い時間の中で患者さんと向き合っていても、なかなか気付きにくい場合がほとんどなので、これについてはご家族の視点が大事になってきます。
本書では、ご家族が「あれっ?」と思った時に、認知症外来を受診すべきかどうかを見分ける簡単なテストを紹介しています。

1つは、最近のニュースで印象に残っているものを尋ねてみること。
そして、1分間で動物の名前をいくつあげられるか、という1分間スクリーニングテストです。
前者では、正常であれば何らかの答えが返ってくるのに、アルツハイマー型認知症ではわずか2%しか答えられないばかりか、答えられない理由を挙げて取り繕おうとするケースが4割ほど認められるようです。
後者では、13個以上の名前が出てきたらOKですが、十二支順に答えるのだけはダメとします。
このテストについては昨日 ( 2018年5月23日 ) 放送のNHKの番組、ガッテン ! の中でも取り上げられていましたね。
いずれも非常に簡便な方法なので、ご家庭でもすぐに実践できるのではないかと思います。

その他にも、かかりつけ医のメリット、一人一人の症状に合わせた薬の処方、息抜き介護のススメ、施設入所や最期の看取り方などについて、平易な文章で解説がなされています。
個人的にも、認知症という言葉を使わずに患者さんを治療に前向きにさせるテクニックは参考にさせていただこうと思っています。


当院では、医療や介護、健康に関する書籍を取り揃え、貸し出しも行なっています。
認知症関係の本もいくつか用意してありますので、是非ご活用下さい。( → 当院の書籍の貸出しについて )

 ◆ 診療所ライブラリー 103 ◆


介護はつらいよ7年半にわたり一人で両親を介護する日々を綴ったエッセイ。
元々編集の仕事に携り、ゴーストライターもやっていたというだけあって文章が実に巧み。
辛くきつい生活を書き留めているのにもかかわらず軽妙な言葉遣いでさらりと読ませてくれるところが見事です。
実際に両親の面倒をみる体験談からは、日本の介護の現状が見えてきますし実用的な情報も含まれています。

一昔前は人生50年と言われ、男が職を辞してから亡くなるまでの期間はそれほど長くはありませんでしたし、その老後を支える子供たちも多くいました。
現在は、寿命が伸びたため、自分自身が仕事をリタイアしてもなお、親の介護が待ち受けています。
そして核家族化も進んでいるため、その期間と負担は以前とは比べ物にならないほど長く大きなものになってきています。
この本が出版された時に著者の父親は100歳を越えてご存命で、それを70代になってなお面倒をみているのです。
こういう社会が訪れることを誰が想像していたでしょうか。

今後の日本の社会構造の中で介護のウエイトはますます大きくなっていきます。
この実録を参考にして、介護する側もされる側も心構えをしっかり持って「つらくない」介護が実現できればいいのですが、今の介護制度の仕組みではなかなか厳しいでしょうね。


 → 介護はつらいよ

親の認知症が ◆ 診療所ライブラリー 77 ◆


認知症に関する一般的な病気の解説をした本は多々みかけますが、この本は筆者が実際に認知症の親を抱えたという実体験をもとに家族の目線で書かれている点が大きく異なり、実践的な内容になっています。

認知症を疑った際に親にどうやって医療機関への受診を勧めるか、受診の際の付き添い方、日常生活の中での接し方、実際の症状への対応法、家族間におけるケア体制の整え方、介護する側のストレス管理等、見開きで100項目に及ぶ心得が楽しいイラストともに網羅されています。

外来でのわずかな時間で普段の生活ぶりまできっちり把握するのは困難で、正直ここまで具体的なアドバイスはできません。
患者さんだけでなく介護するご家族もしっかりケアできる情報など、このような本も参考にしながら提供できるように心がけていきたいものです。 


  → 親の認知症が心配になったら読む本

親孝考 ◆ 診療所ライブラリー 69 ◆ 


既に親に死別したり、あるいは親の介護の真っ最中であったり。
私の同級生からその苦労話を聞く機会も増えてきました。

親の介護や老後のことについては様々な本が出されていますし当院のライブラリにもいくつか取り揃えてあります。
その中で今回ご紹介する本は際立った特徴を持っています。
それは、本の帯にも書かれているのですが、「医者として高齢者医療の現実を見る眼と、一人息子としてふるさと土佐の孤老の母を見る眼。ふたつの視点で、親子それぞれの老後を考え」ている点です。
筆者の医者としての立場からの経験や身内の介護をする立場の経験を巧みに織り交ぜながら、現在のそしてこれからの日本の医療や介護の抱える問題点についてユーモア溢れる軽妙な文章で考察してあります。

いざ親の老後の諸問題に直面したときどうして慌ててしまうのか。
一つには家族間で十分に話しあったりシミュレーションしたりしないからです。
日本には言霊 (ことだま) という独特の考えがあって「もし、親が倒れたら」などと口にしようものなら、縁起でもないと切り捨てられてしまい、その先の議論が全くできないのです。
危機管理が欠如していると痛い目に遭うことは今年の大震災等から学んだ方も多いはず。
この本を読んで真剣に親や自身の老後のことを話し合い、考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

ちなみにこの本の著者は昨年当ブログで紹介した『「スーパー名医」が医療を壊す』を書いた、私の大学の先輩です。
またまた素晴らしい本を世に出してくれました。


  → 親孝考 ふるさとのおひとり老母を考える

2009051810292832119.gif ◆ 診療所ライブラリー 38 ◆


高齢者の多い鹿児島。
往診に行くと老老介護の現場を目の当たりにすることもよくあります。
医療にお金がかかるゆえできるだけ在宅で、という流れを国は作っているわけですが、こういう状況が数多く生まれることを想定していたのでしょうか。

ともあれ、身内を介護することはある程度避けて通れないものです。
介護に関する本もたくさん出版されていますが、今回紹介するのは某新聞に連載されたものをまとめたもの。
普段の介護に役立つ情報や工夫などをイラストや写真をふんだんに使って解説してあり、とてもわかりやすくなっています。

古武術を応用した介護術、ポリ袋を使ってベッドサイドで洗髪、昔の生活道具や写真を使って認知症の方に昔を思い出させる回想法、・・・。
ぱらぱらとめくるだけでも目からうろこの実用的内容が目に飛び込んできます。


( ライブラリ充実のために .. ご協力いただければありがたいです )  →やさしい介護 目で見る介護


□ 過去の関連記事
 ・介護 臭いで困っていませんか
 ・老人の「複雑な思い」をわかってあげる本
 ・お年寄りが骨折したら


mlffsoxv.gif ◆ 診療所ライブラリー 20 ◆


嚥下障害の方に対して最近では胃瘻を造設して栄養管理をする手段も一般化してきました。
でも口から食事を摂ることは人生の楽しみの一つでもあります。

今回紹介する本。
前半では、具体的な献立よりも食べやすくするための調理法の工夫やアイデアに重きが置かれています。
それだけにとどまらず、市販の惣菜や外食での工夫や介護食品についても触れています。

この本の特徴と言える後半では、嚥下障害のしくみやのどに詰まらせた時の対処法、口腔ケアに至るまで豊富なイラストとともに解説してあります。

ご家族の食事介助をされている方には役立つ情報満載の充実した内容の本です。
食事の献立の本だと思って手に取られると、いい意味で面食らうかも知れません。


当院のライブラリを是非ご活用下さい。


( ライブラリ充実のために .. ご協力いただければありがたいです )  → 図解 かみにくい・飲み込みにくい人の食事

↑このページのトップヘ