野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して43年の野口内科です。
  医療・健康に関する情報はもちろん、近隣の話題、音楽・本のことなどを綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:30
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
         ▶▶▶ アクセスMAP
         ▶▶▶ バス路線図

37.5℃以上の発熱で診察をご希望の方は、電話で予約が必要となります。→ ● 発熱外来



大腸内視鏡

photo-2.gif ◆ 診療所ライブラリー 35 ◆


同じ温度のスープなのに平気で飲める人もいれば、猫舌なのでとフーフー冷ましながら飲む人。
同じ刺激でも人によって感じ方が様々であることは日常の中でよく遭遇することです。

普通の人なら何とも感じないのに、内臓の感覚が鋭いばかりにちょっとした刺激が脳に伝わり、それが不安やストレスという形になっている。
日本人の 5人に 1人が罹患しているという過敏性腸症候群 (IBS) の研究において、腸の「知覚過敏」が脳の情動形成に影響を及ぼすことが明らかになりつつあります。
線維筋痛症などの分野でもこの知覚過敏が注目されているようです。

この本に書かれていることは私が学会や講演会などでこれまで勉強したことがふんだんに盛り込まれていてちょっと専門的なのですが、研究で得られたデータの解釈が筆者独特の比喩やユーモアを交えて加えられており、一般の方でもある程度面白く読んでいただけるものと思います。
最先端を行く腸と脳の関係の研究成果を知ることは、得も言われぬ苦痛に日常的にお困りの方の生活上のヒントとなるかも知れません。

そう言えば、一つ思い出しました。
あるうつ症状の強い患者さんに大腸内視鏡をしたときのことです。
「先生、大腸を折りたたむようにしながらカメラを進めていく感じがよくわかりました」
事実、大腸を短縮しながら挿入していくのですが、そういう感覚は普通まずありません。


さて、2年半ほど前から始めた書籍の貸し出し
当初50冊ほどだった当院のライブラリーも今月とうとう300冊を超えました。
皆様に是非ご活用いただきたいと思います。


( ライブラリ充実のために .. ご協力いただければありがたいです )  →内臓感覚―脳と腸の不思議な関係


 □過去の関連記事
 ・内視鏡検査で便秘薬を選択
 ・ミントも提供開始
 ・増えてます、大腸内視鏡検査

wvy457vy.gif昨年1年間の当院での内視鏡検査について振り返ってみます。

上部消化管内視鏡検査数は07年に比べ、23% 増えました。
基本的に経鼻内視鏡を用いていますが、経鼻を試みて挿入できずやむなく経口の検査に切り替えたのが全体の6.3% ありました。
多くの報告で鼻の奥が狭くて挿入できないのが 5% 前後とされていますので大差はないのかなと考えています。

大腸内視鏡検査数は07年より68% も増加。
ブログなどで経鼻内視鏡の宣伝にばかり力を入れていまいますが、得意とする大腸内視鏡もようやく軌道に乗ってきたようです。


syuw3awq.gif当診療所の内視鏡が新しくなり、18日の検査より使い始めました。

フジノンがこの秋に発売した「Advancia」というシステムです。
これを導入したのは当院が鹿児島県で一番最初になるそうです。
九州内でもまだ 3, 4件目位ではないかとの話です。

最大の特徴は画像処理機能が標準で搭載され、シャッターひとつで標準画像と処理画像の同時記録が可能ということ。
それから助かるのは画面のフリーズができるようになったことです。
経鼻内視鏡の検査の際、受けられている方にサブモニターで説明をする上で従来の機種ではフリーズできなかったのが難点でしたが、これで解決。

新機能を検査の際に最大限に活用して、皆様の健康管理に役立てていきたいと考えています。


mrlwxtpv.gif当院で大腸内視鏡をしていることがようやく認知され始めたか、このところ検査実施数が増えています。
ご承知の通り、木曜午後が休診となったため、逆に減ってしまうのではないかとの懸念があったのですが、今年はこの 8月で早くも昨年 1年間の件数を超えました。

最近は、大腸がん検診で便潜血が陽性ということで検査を受けに来られる方をかなり多く見受けるようになりました。
大腸がんや便潜血反応検査については、昨年当ブログで「大腸がん」シリーズとして連載しております。
ブログで経鼻内視鏡のことばかり宣伝してきましたが、そちらのシリーズも参考にしていただき、当院の大腸内視鏡検査も積極的に活用してください。


qr1hyrup.gif ○○ 学会レポート 4 ○○


内視鏡で大腸を観察すると、上行結腸から下行結腸にかけての内腔がおおよそ三角形をしておりヒダがあるのがわかります。
このヒダを半月ヒダといいます。

便秘の方や高齢者ではこのヒダの丈が低いか無くなっている場合が多いなという印象を、普段の検査を通して持っていました。
この半月ヒダが腸内容の移送に重要であると着目し、特殊な注射を用いてこの半月ヒダの形態変化をみた上で、
便秘薬を上手に選択すると結果的に下剤を減らせるという報告がありました。

一口に便秘といっても、このような弛緩性便秘や排便に関わる筋肉群の機能低下による直腸性便秘、
そして過敏性腸症候群に関連する痙攣性便秘等があり、それらに応じて治療法を選択しなくてはいけません。
アントラキノン系の大腸刺激性下剤や浣腸を繰り返し使うと習慣性になって、便秘を助長すると言われています。
大腸の形態を内視鏡で観察し、その人に合った薬剤で便秘を治療するということも一般化するかも知れません。

ヒトにおいて上行結腸は腸内容を肛門の方へ向かって移送させるのに重力に逆らって働かなければなりません。
他の動物でどうなっているのか全く知りませんが、ヒトでは大腸の中で最も半月ヒダが発達している場所です。
「体の形態には意味がある」・・・私は以前からそう思っています。

4t4gmyqo.gifコロナビのデモ機を使う機会を得ました。

正式には挿入形状観測装置と言うそうですが、大腸内視鏡がおなかの中でどのような状態になっているのかを X線透視を使わずに確認できる装置です。
内視鏡の形を把握することで患者さんの苦痛を軽減し、短時間で容易な挿入を目指そうというものです。

屈曲が多く可動性のある大腸の奥へ内視鏡を進めていくのは容易なことではありません。
昔は二人がかりで透視を見ながら検査をする時代が確かにあったのですが、現在は挿入技術の理論も進んできて一人でかつ無透視で行うのが一般的です。ただしその技術を習得するには多くの経験と時間を要します。
コロナビは若手医師の訓練や挿入困難例には大変役に立つものだと思います。

さて実際に使った感想を述べますと、コロナビの画面を併用すると気が散って、途中からは鬱陶しく感じました。
慣れないせいもあるのでしょうが、いつも通りにモニター画面に集中している方がかえって早く挿入できるように思いました。

でも役に立ったことが一つ。
それは病変部のおおよその位置を把握するのが容易なことです。
通常のモニター画面だと内視鏡の挿入長などからその場所を推測するしかありません。
挿入時よりも観察時に利用価値が高いとは考えもしませんでした。


当院は鹿児島市武岡に開業して43年を迎えました。

一般的な内科診療のほかに、経鼻内視鏡や大腸内視鏡、超音波検査などを行い、消化器疾患の治療に強みを持った診療所です。
また、糖尿病や甲状腺疾患などの患者さんも多く来院されています。
処方薬は必要最小限に留め、漢方薬を効果的に活用した診療も行なっています。

診療のご案内003

なお、駐車スペースは6台分 ( うち1台分は軽専用 ) ありますのでご利用下さい。

武岡は、山を切り開いて造成された鹿児島市の新興住宅地の中で最も鹿児島中央駅に近く、江戸時代に島津の殿様が参勤交代に使った歴史ある薩摩街道の水上坂 (みっかんざか) の上に位置し、鹿児島のシンボル桜島を随所で望むことができます。
当院は鹿児島中央駅西口から約2.9km、鹿児島インターチェンジ田上ランプから約1.7kmの位置にあります。

診療のご案内用の地図

「武岡団地」バス停 徒歩3分
「武岡団地二丁目」バス停 徒歩2分
バス路線図については  →  こちら



2020年8月18日 更新

 大腸内視鏡を行う意義 日本人に大腸がんが増えています

男性の2人に1人、女性の3人に1人ががんに罹る現代日本においてとりわけ増えているのが大腸がんです。

その大腸がんを検診で見つけるのに有効な手段として評価されているのが 便潜血反応検査。この簡便な検査を受けた人は受けない人に比べて、大腸がんによる死亡率が7割も低いという調査結果も2007年に報告されています。苦痛を伴わない効率的な検査にも関わらずこの検診を受けられる方は対象年齢の15% ほど。鹿児島県では受けられる方が全国平均に比べると若干多いのですが、それでも19% ほどです。

2009060914141725181.gif便潜血反応検査で陽性となった場合、大腸内視鏡などの精密検査を受けなくてはがんの有無の診断はできませんが、検査せずにほったらかしにしている方が鹿児島県でみると2割ほどいるようです。これでは便潜血反応検査を行なった意味がありません。実際にがんが見つかるのは陽性の中の3% 程 ( 陽性反応的中度 ) に過ぎないのですが、自覚症状のない早期のうちに見つけて適切な治療をすると予後が良いのも大腸がんの特徴です。特に鹿児島県では集団健診により見つかった大腸がんの5年生存率は9割を超えるという成績が出ています。

 私が大腸内視鏡に取り組むようになったきっかけ

当院でも 大腸内視鏡検査 を積極的に実施しております。小さな診療所ながらポリープ切除も行なっておりますし、数多くの症例経験をもとに苦痛の少ない検査を心がけております。
2017年4月からは、フジの最新鋭の内視鏡「EC-L600ZP7」を導入しました。この機種は操作性や観察にすぐれ、苦痛も少なく受けていただける、大腸内視鏡史上最高傑作との評価の高いものです。

野口内科の大腸内視鏡

そもそも学生時代は消化器病にはあまり興味を持っていませんでした。ところが、研修医時代、平成になりたての当時に年間2000例は大腸検査を行なうという関西では最も症例をこなしていた先生の下で、その華麗なるテクニックに魅せられて内視鏡医としての道を選んだ経緯があります。

他の施設との比較で大きなアドバンテージといえば、土曜日の午後も検査を行なっているという点でしょうか。
便潜血にしろ大腸内視鏡にしろ少々恥ずかしさを伴うものかもしれませんが、非常に有用な検査です。 日頃忙しい方も、当院の土曜日などを活用して是非大腸内視鏡検査を受けていただきたいと思います。

検診での便潜血陽性の方のみならず、

  便通異常や下血など大腸疾患を疑う症状のある方
  糖尿病 ( 根拠 ) やメタボリックシンドローム ( 根拠 ) の方
  40歳以上の方で大腸検査を一度も受けられたことのない方

などでも検査をお勧めします。

 大腸内視鏡の検査スケジュール

検査は 月・火・水・金・土の午後に実施しております。
お問い合わせ・ご予約はお電話で → 099-281-7515

(新型コロナウイルスワクチン接種に専念するため、2021年5月29日以降の土曜日の検査は当分の間お休みとさせていただきます。何とぞご了承下さい。)

( 2021年5月14日 更新 )
 

 大腸内視鏡に関するブログの関連記事

   
   ■ メタボリック症候群から大腸がんへ
   ■ 薬で大腸がんの予防 !?
   ■ 牛乳で大腸がんの予防 ?
   ■ 補足しておきたい最新のデータ
   ■ 便潜血反応検査について

   ■ コロナビ体験記
   ■ 内視鏡医にウーロン茶ブーム
   ■ 増えてます、大腸内視鏡検査
   ■ 昨年の内視鏡検査
   ■ ビジュアル版 がんの教科書

   ■ 腸の病気は連鎖する
   ■ 内視鏡検査で便秘薬を選択
   ■ 内臓感覚
   ■ 宿便の定義を調べてみる
   ■ 便はヒダには溜まらない

   ■ 大腸憩室症について
   ■ 早期発見・早期治療
   ■ 男女の違い その2
   ■ 土曜日に大腸内視鏡
   ■ 虚血性大腸炎

   ■ 大腸がん 手術後の生活読本
   ■ 大腸の形態と便通異常
   ■ 大腸憩室からの出血
   ■ 「排便力」が身につく本
   ■ 突き詰めれば、シンプルそしてアート

   ■ 最近、大腸がんの話題が目につきました
   ■ 1位となった大腸がん
   ■ 肉を食べて大腸がん ?

↑このページのトップヘ