昨日、NHKの番組「日本人のおなまえっ !」で身近な病名の由来を取り上げていました。
その中で、昔の人は病気の原因が風邪 ( ふうじゃ ) にあると考えていたので、痛風や中風といった名前が付けられていたという話がなされていました。
また、インフルエンザに「印弗魯英撒」という当て字がなされていたのは、海外との交易によりもたらされたとの考えに由来しているようです。
インド・フランス・ロシア・イギリスが撒くという意味のようで、これには座布団をあげたくなります。

風邪について説明を加えておきます。
中医学の世界で「風・寒・暑・湿・燥・火」の6つの「気」が複雑に変化して、人体に影響を及ぼし病気が起こると考えていました。
発病の原因となった気は「風邪・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・火邪」と呼ばれるのです。

蟯虫それ以外に古代の人々は、神の怒りや怨霊、庚申信仰に基づく腹の虫などが病の原因と考えてきました。
左の図は「針聞書 ( はりききがき ) 」という書物の中で描かれた63種類の腹の虫の一つ、「蟯虫 ( ぎょうちゅう ) 」です。
多くの人の探求のおかげで、細菌やウイルス、遺伝的な素因や生活習慣などが病気の元になることがわかり、大概の疾患が治せる現代人は、とてもありがたい時代に生きているものだなと思います。


このブログでは、胃液がこみあげてくる「呑酸」ということばを考察したことがあります ( → どんさんそうそう ) が、医学用語には不思議なものがいっぱいあります。
薬を飲むことを「内服」と言いますが、なぜだかわかりますか ?
解説してもいいですが、自分で調べてみましょう。
ヒントとして、中国最古の地理書「山海経 ( せんがいきょう ) 」という書物にその由来があるとだけお伝えしておきます。