《 心窩部にまつわる話 3 》
前回は機能性ディスペプシアの「心窩部痛症候群」に絡んだ内容でした。
機能性ディスペプシアのもう一つの「食後愁訴症候群」を考える前に、胃下垂について考えてみたいと思います。
診断基準はあるものの、医師に疾患として認知されているわけでもなく、治療も基本的に施されないのが胃下垂です。
胃下垂の診断は、胃の透視によって行われます。
右図の矢印の部分を胃角部と言いますが、ここが骨盤の最上端よりも下に位置している場合に胃下垂との診断が下されます。
胃が骨盤内まで下がってきているのですが、皆さんの想像以上ではないかと思います。
実際、胃下垂の方がおなかいっぱいに食事を摂ると、臍より下がぽっこり膨らむのです。
透視を見ていると、バリウムの入り始めはどんな方でも胃の位置はほぼ一緒の印象です。
つまり、空腹時の胃の位置は、皆さん大差はありません。
しかし、胃下垂の方はバリウムの量が増えるにつれ、胃がどんどん下がっていきます。
日常でも恐らく食べ物が入り、その重みで下がっていくのだろうと考えられます。
胃は固定された臓器ではなく、腹腔内で大きく移動することが可能です。
胃は口にした食べ物を一旦蓄えるために膨らんだり、消化するために大きく蠕動したりします。
胃が固定されてしまうと、これらの働きが十分発揮できないですよね。
一方、手前の食道と胃に続く十二指腸は、胃とは異なってしっかりと固定されています。
食道が固定されていないと、胸腔内の心臓や肺、大動脈といった臓器の働きに影響が出かねません。
十二指腸には肝臓からつながる胆管と、膵臓からの膵管の出口があり、わざわざ腹腔をという空間を出て背中側に回り込み、これらを通って出てくる消化液を受け取りにいくような形をとっています。
「体の形態には意味がある」と以前述べましたが、臨床に長く携わってきての実感です。
すみません、遅筆なもので続きは改めて。
前回は機能性ディスペプシアの「心窩部痛症候群」に絡んだ内容でした。
機能性ディスペプシアのもう一つの「食後愁訴症候群」を考える前に、胃下垂について考えてみたいと思います。
診断基準はあるものの、医師に疾患として認知されているわけでもなく、治療も基本的に施されないのが胃下垂です。
胃下垂の診断は、胃の透視によって行われます。
右図の矢印の部分を胃角部と言いますが、ここが骨盤の最上端よりも下に位置している場合に胃下垂との診断が下されます。
胃が骨盤内まで下がってきているのですが、皆さんの想像以上ではないかと思います。
実際、胃下垂の方がおなかいっぱいに食事を摂ると、臍より下がぽっこり膨らむのです。
透視を見ていると、バリウムの入り始めはどんな方でも胃の位置はほぼ一緒の印象です。
つまり、空腹時の胃の位置は、皆さん大差はありません。
しかし、胃下垂の方はバリウムの量が増えるにつれ、胃がどんどん下がっていきます。
日常でも恐らく食べ物が入り、その重みで下がっていくのだろうと考えられます。
胃は固定された臓器ではなく、腹腔内で大きく移動することが可能です。
胃は口にした食べ物を一旦蓄えるために膨らんだり、消化するために大きく蠕動したりします。
胃が固定されてしまうと、これらの働きが十分発揮できないですよね。
一方、手前の食道と胃に続く十二指腸は、胃とは異なってしっかりと固定されています。
食道が固定されていないと、胸腔内の心臓や肺、大動脈といった臓器の働きに影響が出かねません。
十二指腸には肝臓からつながる胆管と、膵臓からの膵管の出口があり、わざわざ腹腔をという空間を出て背中側に回り込み、これらを通って出てくる消化液を受け取りにいくような形をとっています。
「体の形態には意味がある」と以前述べましたが、臨床に長く携わってきての実感です。
すみません、遅筆なもので続きは改めて。