野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して43年の野口内科です。
  医療・健康に関する情報はもちろん、近隣の話題、音楽・本のことなどを綴ってまいります。

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熊本地震

3月11日は東日本大震災から8年目となり、テレビや新聞などでは様々な特集が組まれました。
私が阪神淡路大震災を経験していることは、既にこのブログでも繰返し取り上げています。
阪神淡路大震災では火災が、東日本大震災では津波が、被害に更なる拍車をかけましたけど、同じ地震が原因になっていても個々で異なる問題が生じます。


map鹿児島では桜島の大噴火の可能性があります。
3月9日には鹿児島救急医学会等が中心となった座談会が行なわれ、大規模な噴火の際の入院患者の安全確保についての議論が行なわれたようです。

噴火時の直下型地震や津波なども想定されていますが、一番の問題はやはり火山灰でしょう。
火山灰はその時の風向きによっても堆積量が異なって来るものの、一番の人口密集地である鹿児島市は灰に埋もれてしまうのは必至。
大正噴火クラスの規模の爆発があり風向きが鹿児島市内方面だと、当診療所のある武岡地区では約1mも火山灰が降り積もる予測がなされています。
鹿児島の方ならよくご存じでしょうが、火山灰が水分を含むとセメントのように固まってしまいます。
50cm積もったまま水を含むと家屋が倒壊してしまう可能性もあるようですね。

通常の災害などでは比較的早期から行われるであろう救助活動や支援物資の供給が、降灰に阻まれてかなり遅延してしまうことは間違いありません。
3日は備えておくべきと言われている食糧や燃料も十分とは言えないでしょう。
4月になれば熊本地震の話が盛んになってくると思いますが、こういう機会を捉えてでもいいので、大噴火を見越した備えを真剣に考えてみて下さい。

 ◆ 診療所ライブラリー 129 ◆


どうして今年もいろいろな災害がありました。
熊本地震があり、東北や北海道は台風で大きな被害に見舞われ、糸魚川では大火が・・。
誰もが好き好んで被災者になりたいわけではありません。
猛威に大切なものを奪われる辛い体験は一瞬に留まらず、様々な課題の克服にはかなりの時間を要します。

東日本大震災からは5年が経ちますが、まだまだ解決しなければならないことが山ほどあります。
ドクター小鷹、どうして南相馬に行ったんですか ?」は、大学を辞めて被災地の病院に飛び込んだ神経内科医と精神科医が往復書簡の形式でのやり取りを書籍化したもの。
二人のやり取りからは様々な問題点が浮き彫りになってきます。
悩みつつも類い稀なる行動力で難問を少しずつ解決していく神経内科医の姿には感銘を受けます。
被災地支援に大切なのは他人との協調であり、変化していく状況やニーズに対応するためにも人間関係の構築が大事だと繰返し述べています。

阪神淡路大震災では、復興住宅の割り振りにおいて地域のコミュニティを無視して低所得者や高齢者を優先して入居させました。
その結果、人間関係が希薄でお互いを支え合うことができない状況を生みました。
外見上、震災の傷跡が見えないように街がきれいに整備されても、心の傷を癒すわけではありません。
人と人の接点の数をできるだけ多く持つことの大切さを改めて考えさせられる、そんな一冊でした。


熊本地震の前震から20日ほどが経ちました。
阪神淡路大震災を教訓として、大規模災害時の対応は進歩を遂げています。
しかし、まだまだ不十分な点もあるように思います。
そのうちの2点について考えます。

今回は、震度7に二度襲われた益城町を始めとして熊本城や南阿蘇村など、絵になる場所に報道が集中しています。
救援物資の供給やボランティアなど支援の偏在が問題となっていますが、この報道の偏りに因るところが大きいと思います。
先日、大分県竹田市の方と話す機会がありました。
自宅の離れの物置が半壊状態になったり食料品などが一時不足したりがあったそうですが、全く見向きもされない状態に少々憤りぎみでした。
阪神淡路大震災の時も、被災地は広いエリアに及ぶのに長田区にばかり報道が集中していた気がします。

トイレまた、避難所のあり方もどうでしょう。
地震による災害では多数の方が損壊した自宅に簡単には戻れず、長期にわたる避難生活を強いられます。
プライバシーへの配慮もなく空調設備もない硬い床の上で身を寄せあって過ごすのは、かなりのストレスとなるのはわかりきったこと。
そして仮設のトイレ。
私も阪神淡路大震災の経験しましたが、びっくりしますよ。
排泄物とほぼ同量の紙が便器から溢れるように山盛りになっていたりします。
臭いもひどく、とても用を足す気にはなれません。
水分摂取が十分でない女性が多いのも、ノロウイルス集団感染が出たのも、劣悪なトイレ環境に起因するのではないでしょうか。

今後も起こるであろう大規模災害に向けて、このような課題への対策を考えておくべきです。
被災者をサポートする立場の人たちもまた被災者です。
起きてからの対応が後手後手に回ってしまうことは極力避けたいものです。

だんそー4月14日から続く熊本を中心とした一連の地震で、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。
余震の回数が半端ではなく震源域が今後も広がっていく予想もあるため、落ち着かないでしょうし、復旧の妨げとなる懸念もありますね。

九州の南部に位置する鹿児島でも物流がやや滞りがちで、店に行くとミネラルウォーターやパンが品薄になる一方で、地元新聞によると普段はほとんど売れないヘルメットが1日に100個も売れたとか。

阪神淡路大震災を経験した私は、このブログでも災害について触れることが何回かありました。
伝えるべきことを伝えても、それを備えにつなげてくれる人が多くないのは常に残念に思っていました。
大きな災害が身近で起こって慌てて準備に走り、欲しい物が入手しづらい状況を目の当たりにして青ざめても遅いのです。

一人暮らしを始めた時の懐中電灯とラジカセとマッチとろうそくが手元に置いた最初の防災グッズ。
94年の琵琶湖の渇水に伴う取水制限時にポリタンクを買ったのですが、そこまでする必要はないと周囲に嘲笑されたものでした。
でも、これが翌年に起きた阪神淡路大震災の時に大助かりだったのです。
その後、事あるごとに様々なグッズを買い増しており、昨年はヘルメットを購入しました。( → 東日本大震災から4年 )
家族が最低3日間過ごせる分の水や食料も常に維持しているのですが、今回の熊本地震の様子を見ていると3日では不十分のような気がしてきました。
防災への備えを更に充実させたいと思っています。

被災された人たちに何らかの手を差し伸べることは大事です。
それと同じくらい、自分たちはどう備えるべきなのかを改めて考え直す機会にしていくことも大事なのです。

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