◆ 診療所ライブラリー 176 ◆


感染症の日本史神戸在住時には、日本で最初の厄除け神社とされる多井畑厄除八幡宮の近くに住んでいたことがあります。
そこには「疫神祭塚」があり、昔は「厄除け」に「疫除け (やくよけ) 」の意味合いが大きかったのだろうと推測されます。
「疫」は流行り病のことですね。
多井畑厄除八幡宮のことは過去にも触れていますので参考に。 ( →「
和気神社の藤棚」「牛の胆石」)


そんなこともあって、昔から感染症の歴史には非常に興味を持っているのですが、歴史を分かりやすく解説してくれる磯田道史による「感染症の歴史」という本がこの秋に出版されたので、早速購入しました。
私もあまり知らなかったような様々な感染症の史実がちりばめられているだけではなく、その歴史を教訓として今の新型コロナ渦にどう立ち向かうのが賢いのかを導き出しているのが凄い所です。
歴史は過去をなぞるだけのものではありません。
今を生きる我々が、そこから教訓として学び取り、活かしていくことも大事なのです。


戦争や天災よりも、はるかに多くの犠牲者を生むことさえある感染症。
いい加減な対応では太刀打ちできません。
新型コロナの感染者数や重症患者数が過去最多を更新し続けているのに、GoTo関連事業を止めることを頑なに拒み続けるこの国のトップ。
最善策を選択できない宰相とこの愚策は、間違いなく感染症の歴史の一つに刻まれます。
後世の人々が絶対に真似しないように学び取ってくれたら、それはそれで価値があることだと思いますけれど・・。