野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して43年の野口内科です。
  医療・健康に関する情報はもちろん、近隣の話題、音楽・本のことなどを綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:30
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
         ▶▶▶ アクセスMAP
         ▶▶▶ バス路線図

37.5℃以上の発熱で診察をご希望の方は、電話で予約が必要となります。→ ● 発熱外来



腸内細菌

 ◆ 診療所ライブラリー 106 ◆


今日のうんこ私と同じ消化器内視鏡医でありタレントとしても活躍する女性医師が、便についてあらゆる方面からスポットを当てて掘り下げて解説する本。
その名も「今日のうんこ」。
かわいらしいイラストと堅苦しくない文章で楽しく読み進めていくことができます。
「歩きおならを止める方法」とか「おならをしらばっくれる方法」とかちょっと知りたくありませんか ?

ただ、いくつか指摘しておきたい点もあります。
まず、下剤についてはごく簡単に触れているだけなのですが、下剤は依存度が高いと断じている点です。
これはセンナなどアントラキノン系についてのもので、酸化マグネシウムやルビプロストンでは長期使用でもそのようなことは起こりません。
知識をしっかり持った医師のもとで治療を受けていただければ、依存性を生じさせずに満足のいく便通が得られるはずです。

また、宿便についても触れているのですが・・。
宿便は医学用語ではなく、はっきりとした定義はないのに「宿便はだれにでもあるもの、ただ大半は水なので、便というより黄色っぽい膜が張っている感じです」と解説しています。
一体何を指しているのやら、さっぱりわかりません。
以前、このブログで10回にわたるシリーズを立ち上げて、宿便とは何かを様々な視点から考察しましたが ( → 宿便について考える ) 、私は腸管内容物を指しているとは考えていません。
この「宿便について考える」は是非ご一読下さい。

腸内細菌叢についても簡単に解説がなされています。
この分野は最近非常に注目を集めており、研究が盛んになってきています。
消化器疾患だけではなく、肥満や動脈硬化、うつ病など様々な疾患に腸内細菌が関与していると次第に明らかになってきています。
いい腸内細菌のバランスを保つことが、健康を維持するのにとても大切なのです。
ただ、どのようにすれば健康的な腸内細菌を獲得できるのか、それはまだ未解明です。

便の状態を確認することは腸の中の様子を知ること、ひいては健康状態を知ることになります。
この本を一度手にして、便についての知識を蓄えておくことは大切だと思います。

  → 今日のうんこ

 ◆ 診療所ライブラリー 90 ◆


大便通最近、目に見えて増えてきているのが腸内細菌叢の研究。
腸に住み着いている細菌が人の免疫系を刺激したり、消化を助けることで健康を左右することが分かってきています。

便の研究の第一人者が一般の人にも分かりやすく語りかける本書。
日本人の特に若い女性の「腸高齢化」が深刻で、便通は自分でデザインするもの、すなわち生活習慣や食事に気を使って腸内細菌のバランスを整えることだと説いています。
このブログやツイッター等でも常に和食の素晴らしさや運動を心がけることなどを情報発信していますが、便の研究を通じても日本人のライフスタイルが危機的であることが理解されます。

個人的には、1970年代にフランスで潰瘍性大腸炎に便移植を実施していたことを学べたことが収穫。
偽膜性腸炎という疾患に便移植がかなり有効だとする報告がこのところ増えていますが、どこからそういう発想を得たのか不思議に思っていた理由が氷解しました。

腸内細菌叢の研究は今後益々発展し、我々に大きな利益をもたらすことになるでしょう。

 → 大便通

〖 今月のつぶやきから 3 〗辞典


今月も Twitter 上でいくつかつぶやきましたが、リツイートされたものを古い順に掲載します。
こうやってつぶやきを張り付けられることを今まで知らなかったので、過去の二回分もこの機能を活用して変更しちゃいました。


ちなみに最初のつぶやきの中にある播州弁「べっちょない」は別状ない = どうもない、という意味です。

さて少しショックだったことがあります。
医療現場で日常的に使っている言葉が、日本語入力プログラムで変換できなかったのです。
他に検査データを見ながら「高値」「低値」という言葉もよく使うのですが、これもダメ。 
もちろん辞書にも載っていませんね。
患者さんなどに説明するときはできるだけ医学用語をやさしく言い換えるように努めていますが、 これらはごく一般的な日本語だと思ってたんですけどね。

腸内細菌〖 医療情報 Pick Up おさらい 47 〗

当ブログの右側のカラム、お知らせ欄でお届けしている「医療情報 Pick Up」。
今月はたった一つだけ情報を更新しました。

・キウィフルーツ/1日3個摂取で/血圧が若干低下 ( 米国心臓協会年次集会発表 )

   ―――――――――――――――――――――――――――――――――――

報告によるとキウィフルーツを1日3個食べた人は1日1個リンゴを食べた人より収縮期血圧が3.6mmHg下がったそうです。
下がる幅もわずかですし、毎日これだけの量を食べるのは苦痛になるでしょう。
糖尿病なども懸念されますので、現実的な方法とは言えませんね。

さて、特定の食品を宣伝することになるので取り上げなかったのですが、ちょっと気になる発表もありました。
カルピス菌で作られる発酵乳でラットの脳内ドパミン量が増加し、記憶力の向上に関与することが確かめられたというもの。
この報告で私が興味を引いたのはカルピスではなく、腸内細菌と生物との関わりについて。
善玉菌を腸の中に多く飼うことが脳の活動にいい影響を及ぼす可能性があるわけです。
そのためには日頃の食生活がいかに大切かということです。
キウィフルーツばかりを食べていてはいけません。


         □ 関連記事  医療情報Pick Up  46

↑このページのトップヘ