日本でも新型コロナウイルスに感染する人が増えていて、新規の感染者が1日に200人を超える状態に突入しました。

ウイルス今週初めにも緊急事態宣言、ないしは東京都のロックダウンが実施されるのではないかと予想していました。
でも、まだ持ちこたえているとの判断で、さまざまな分野への自粛要請に踏み留めています。
なぜ自粛要請という形なのかと言うと、そこには金銭的補償が発生しないからです。
命令となれば、賠償責任等の問題が出てくるのです。

正直、そんなことを言っている場合ではないと思います。
4月1日に日本医師会が「医療危機的状況宣言」と言うのを出したのも、もたもたしている政治に決断をを促すためではないでしょうか。


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Hungaryさて、各国でもさまざまな新型コロナウイルス感染対策がなされていますが、私が最も注目しているのが中欧ハンガリーの対応です。
以下にその概略を記します。

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3月11日
ハンガリー国内での感染者が13名の段階で非常事態宣言。

この時は、感染多発国からの外国人の入国禁止、集会の制限程度ですが、これを受けて大学は校舎への立ち入りを禁止に。


▶▶▶ 3月16日
感染者39名の段階で罰則規定を盛り込んだ追加措置発表、17日より実施。

国境を閉鎖し、ハンガリー人を除き全外国人の入国禁止
飲食店を含む店舗の営業時間制限 ( 6時~15時、例外あり )
集会・イベントの禁止
70歳以上は外出しないよう勧告
スポーツイベントは無観客試合以外の制限
劇場、映画館、博物館、美術館、図書館等の閉鎖
16日から初等・中等教育の生徒は登校禁止とし、オンラインでの授業に。



▶▶▶ 3月27日
感染者が300名を超え、罰則規定を盛り込んだ時限的 ( 3月28日からの14日間 ) な外出制限令発表。

正当な理由がある場合のみ外出OK ( 細かな規定あり )
人との距離を1.5m以上保つ
デリバリー・テイクアウト以外、飲食店の営業禁止
買い物は、9時~12時は65歳以上の人、65歳未満の人はそれ以外の時間帯で


日本と違って7つの国と国境を接するという事情もあるでしょうが、感染者が少ない段階から様々な手を打っています。

3月11日の措置は、イタリアの動きを受けてのものと考えます。
3月8日にイタリア北部の封鎖を発表すると、国民は南部へ逃げ出す動きが出ました。
このため9日には封鎖をイタリア全土に拡大、すると外国人が自国へ戻る動きが強まりました。
イタリアからウイルスを持ち込まれたら大変ですからね。

また、最初は子供への感染が少ないため初等・中等教育の休校を見送っていましたが、16日には方針変更。
しかし、休んでるだけの日本と違ってオンラインにて授業は続けています


3月27日の外出制限令で注目すべきは、買い物の時間を年齢で分けていることです。
ご存知だとは思いますが、新型コロナウイルスに感染すると高齢者ほど重症化しやすいと言われているので理にかなった措置だと思います。

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オルバン首相ただ、3月30日になって、広範な緊急措置を命令できる権限を政府に無期限に与える法案がハンガリー国会で可決されました。
新型コロナウイルスに対応するための措置だとされていますが、強権政治で批判の多い同国のオルバン首相の独裁政治に繋がりかねないという側面もあるため、EU各国や米国からも批判が上がっています。




一連の措置で、ハンガリーの新型コロナウイルス感染者の推移がどうなるか、そして周辺国との友好関係がどうなるのか、今後も目を離せません。