野口内科 BLOG

  野口内科は鹿児島市武岡に開業して46年を迎えました。
  当ブログでは、当院からのお知らせ、医療・健康に関する情報の他に、近隣の話題、音楽・本のこと等を綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:00 (金曜は〜18:30)
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
    院長   野口 仁

         ▶▶▶ アクセスMAP
         ▶▶▶ バス路線図

血糖

健康を維持するのに役立つとしていつの間にか広まったスムージー
でも、問題点もあって、決して褒められたものではないのです。

♦♦♦♦♦
スムージー
スムージーでは食物線維を効率的にたくさん摂取できると流布されていますが、以前から指摘されていたのは、野菜や果物をミキサーにかけるため食物線維がずたずたになってしまうデメリットです。

食物線維は、消化管内での食べ物の移動速度や小腸での栄養吸収を遅くする作用があるとされています。
血糖の上昇を穏やかにするという食物線維の大事な役割がミキサーで粉砕されることで損なわれてしまい、食後の血糖の急上昇をきたしやすいのです。

( 参考 ) 「果物はヘルシー」というイメージは大間違い…「朝食にスムージー」が科学的に危険といえるワケ

♦♦♦♦♦

最近、ポリフェノールオキシダーゼ ( PPO ) に着目した報告がありました。
PPOは、バナナを剥いたりリンゴを切ったりした後に表面が褐色に変わる際に作用する酵素として知られています。

PPOの活性が高いバナナと活性の低いミックスベリーのスムージーを作って飲んで、ポリフェノールの一種フラバノールの血中濃度を比較したところ、前者では後者よりも84%低かったというものです。
スムージーにすると、PPOが細胞外に逸脱して活性化してしまい、せっかくのポリフェノールを台無しにしてしまっている可能性を示唆するものになります。

( 参考 ) フルーツスムージーから最大限の健康上のメリットを得る



野菜も果物も、ジュースやスムージーにするのではなく、そのままの形で摂取することを心がけてみましょう。

病院で受ける検査は、痛みやつらさを伴うものが多く、心理的にも肉体的にも負担の大きいものです。
最近得た情報の中には、そういう苦痛を回避できるように様々な研究がみてとれるものがいくつかありましたので紹介してみます。

♦♦♦♦♦

インフルエンザ検査まず、インフルエンザの診断について。
現在は、鼻やのどの奥に綿棒を入れる検査がほとんどです。
不快感や痛みが伴い、検査をする我々もくしゃみをまともに浴びる等のリスクが付きまといます。
今回、鹿児島大学から発表があったのは唾液を使った検査です。
2014年には手法が確立されていたようですが、今冬に臨床試験を始め、来年度中には保険適用を目指すそうです。
唾液を取るだけなので負担は少なく、検査感度も従来法より1~50万倍あるとか。
安価で普及することを期待したいですね。( 参考記事 → こちら )

♦♦♦♦♦

自己血糖測定次に、血糖測定について。
血糖はどうしても血液を調べなければなりません。
インスリンによる治療を受けている方などは、自分で調べる必要もあります。
この負担を軽減しようと、NTTが研究中なのが、電磁波を用いた方法。( → こちら )
皮膚に機器を押し当てて、グルコース成分に特有の周波数の電磁波を照射することで血糖値を推定するというものです。
機器が小型化できて、安価になればいいですね。

♦♦♦♦♦

最後は、超音波を用いたバーチャルレンズについて。
詳しく読み込んでいませんが、侵襲的な内視鏡検査にとってかわる可能性がある、と研究者は報告しています。( → こちら )
内視鏡は覗いて観察するだけではなく、治療にも欠かせない道具になっていますから、後者を代替するのは困難だと思います。


少しでも苦痛のない検査法を目指して、様々な研究が地道に行なわれているのは嬉しいことですね。

 

↑このページのトップヘ