野口内科 BLOG

  野口内科は鹿児島市武岡に開業して46年を迎えました。
  当ブログでは、当院からのお知らせ、医療・健康に関する情報の他に、近隣の話題、音楽・本のこと等を綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:00 (金曜は〜18:30)
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
    院長   野口 仁

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認知症

シジミ〖 今月のつぶやきから 44 〗


朝晩が若干過ごしやすく感じられるようになってきました。
8月の twitter でのつぶやきを自分で振り返ってみると、非常に中身が濃かったと思います。
その中から絞りに絞って二つのテーマのもと、8つをセレクトしてまとめました。

まず、認知症に絡む 5題。





次に、生物に絡んだ話題を 3つ。



 ◆ 診療所ライブラリー 89 ◆


自分の親が宅地開発がなされて40年近くが経つ当院周辺は住民の高齢化が進んでいます。
それに応じて認知症を患う方も増えています。
本人よりもそのご家族に大きな負担がのしかかることは改めて説明するまでもないでしょう。

この本では最初に認知症の具体的な実例を挙げ、それに対する対処法を見開きでわかりやすく解説しています。
認知症の人の気持ちを考えることを第一に考えた対処法は、複数提示されていて参考になるものばかりです。
続く認知症と介護の基礎知識や介護を楽にするためのアイデアも、イラストなどを交えての説明でこれまた分かりやすくまとまっています。

身内だけで抱え込まず周囲の力も遠慮なく借りつつ、便利なノウハウも身に付けて、介護の負担感もできるだけ軽いものにしていきましょう。

貸し出しを行なっている当院の診療所ライブラリも間もなく480冊に届きそうです。
普段の健康管理や介護にお役立てください。

 → 自分の親が認知症?と思ったら…

親の認知症が ◆ 診療所ライブラリー 77 ◆


認知症に関する一般的な病気の解説をした本は多々みかけますが、この本は筆者が実際に認知症の親を抱えたという実体験をもとに家族の目線で書かれている点が大きく異なり、実践的な内容になっています。

認知症を疑った際に親にどうやって医療機関への受診を勧めるか、受診の際の付き添い方、日常生活の中での接し方、実際の症状への対応法、家族間におけるケア体制の整え方、介護する側のストレス管理等、見開きで100項目に及ぶ心得が楽しいイラストともに網羅されています。

外来でのわずかな時間で普段の生活ぶりまできっちり把握するのは困難で、正直ここまで具体的なアドバイスはできません。
患者さんだけでなく介護するご家族もしっかりケアできる情報など、このような本も参考にしながら提供できるように心がけていきたいものです。 


  → 親の認知症が心配になったら読む本

〖 今月のつぶやきから 1 〗
ツイート

4年にわたって綴ってきた「医療情報 Pick Up」に代わって、今回から「今月のつぶやきから」をスタートさせます。
ちょうど 1年前から始めた 
Twitter も最初のうちはどのように活用したらいいのかさっぱりわからず、主に情報収集用に使っていましたが、8月ごろからできるだけつぶやくよう心がけました。
今ではブログを補完するような形で、自分のつぶやきだけではなく面白そうな話題をリツイートするなどして発信しております。

Twitter の欠点はすぐに情報が埋没してしまうことなので、月に一回つぶやきを振り返ってみようというのが連載の趣旨です。

今月は、日経メディカルのニュース「アスピリンの一次予防効果は出血リスクに相殺される」( http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/etc/201201/523293.html ) にツイートしたものに対して、多くのリツイートやお気に入りへの登録をしていただきました。

この内容に対する意見はまた別の機会に述べようかと考えていますが、リツイートされると俄然さらにいいつぶやきをしようと思わせてくれるのが Twitter のいいところですね。

また、昨日リツイートしたもので『成人式でピロリ菌感染検査、町挙げて胃癌対策に・長野県飯島町』( http://www.m3.com/news/GENERAL/2012/1/24/147419/&pageFrom=tb ) というのがありました。
この長期間の取組みで、未だ結論がはっきりしないピロリ菌除菌による胃癌の一次予防についてのエビデンスが得られるものと思います。
非常に興味深い取組みですね。

さて、一番気になったのは1月11日にリツイートさせていただいた『認知機能の低下が45歳からもう始まっている、と検証結果です』( http://www.m3.com/news/THESIS/2012/01/11/11879/?rUrl=http://www.m3.com/open/thesis/article/11879/&portalId=simpleRedirect&pageFrom=tb ) 。
私も思い当たる節があるものですから。 

2010033011492315798.gif〖 医療情報 Pick Up おさらい 27 〗


「貼告」というブログパーツを活用して当ブログの左側のカラムで様々なミニ情報をお知らせしておりましたが、お彼岸頃からこのパーツのサーバーが反応しなくなっています。
スクロールする機能を活用して一行10文字以内にまとめてニュース速報風に医学分野の話題をお届けしていた「医療情報 Pick Up」もこのため今月は以下の 2点だけしかお届けできませんでした。
非常に重宝していただけに貼告の回復を待ちたいところですが、かなり長引いていますので違った形で情報をお届けすることも思案中です。


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・乳癌治療後の/アスピリン服用で/転移及び死亡の/リスクが半減 ( J Clin Oncol. Feb 16 2010: doi:10.1200/JCO.2009.22.7918 )

・高齢者が入院すると/認知症のリスクが/非重篤疾患で1.4倍/重篤疾患で2.3倍増加 ( JAMA. 2010 Feb 24;303(8):763-70. )



         □ 関連記事  医療情報Pick Up  26

200909190001023884.gifインスリン療法は自己注射をしなければならないという点で導入にためらいが生じます。
欧米では吸入するタイプのインスリンが 3年前から使えるようになっていますが、鼻にシュッと吹き込むというインスリンも開発中です。
ただ、この経鼻インスリンは末梢へ移行しないので血糖に影響しないようです。
それでは糖尿病には役に立たないわけですが、どうやら嗅脳から脳内へインスリンが移行し認知機能の改善に繋がりそう。
そんな面白い研究が進んでいるようです。

昨日参加した講演会で話をしていただいたのは、以前にも紹介した神戸でお世話になった先生。( こちらでも紹介 )

昨日はもう一人、膵臓病の分野の大御所である大先輩の先生も講演に来られていました。
お二人の話にはとても興味ある内容が盛りだくさんで、大変勉強になりました。

終了後、座長を務めた先生 ( この先生も大学の先輩なのです ) と計 4人で食事を供にさせていただきました。
いろいろな話で盛り上がりましたが、4人とも須磨区に住居を構えている ( or いた ) という繋がりも奇遇でした。

2009062717285510045.gif〖 医療情報 Pick Up おさらい 18 〗


今月もお届けした「医療情報 Pick Up」 の情報は以下の 2点にとどまりました。
一般の方が興味を持ちそうなレポートが最近あまり多くないな、という印象です。


・GPS機能付の靴/米国で開発中/認知症の徘徊対策に/期待集まる ( CNN 2009.06.13 )

・引越回数が多い小児で/自殺行為リスクが上昇/デンマークで ( Arch Gen Psychiatry. 2009 Jun;66(6):628-32 )


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二番目の話題をもう少し解説します。
自殺を試みた11歳から17歳の55.2%は3回以上の引越しを経験。
自殺企図のない同年代のコントロール群で3回以上の引越しを経験したのは32%。
同じく、自殺を試みた小児のうち7.4%が10回以上引越しを経験 ( コントロール群では1.9% )、というもの。

ユニークな着想が興味ある結論を導くことがよくあります。
「日本人が賢いのは魚を食べるからだろうか ?」
リウマチの人に大腸がんが少ないのは鎮痛剤を常用しているから ?」
などなど。

今回の引越しと自殺を関連付ける着眼点も面白いと思います。
私も何回か引越しを経験していますが、転校というのはあまり好きではありませんでしたね。



         □ 関連記事  医療情報Pick Up  17


2009052912411210156.gif〖 医療情報 Pick Up おさらい 17 〗


今月は、新型インフルエンザの情報収集に振り回され、お届けした「医療情報 Pick Up」 の情報は 2点にとどまりました。


・中年女性で/内臓脂肪とうつ病に/強い相関関係/皮下脂肪とは相関なし ( Psychosom Med. 2009 May;71(4):410-6. Epub 2009 Apr 27 )

・高齢者で/痩せや急な体重減少は/認知症のリスクが高い/日系アメリカ人で ( Neurology. 2009 May 19;72(20):1741-6 )


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いずれも体形に関わるものですが、とり上げなかった情報の中には次のようなものもありました。

「肥満の人は心疾患の経過が良好?」
肥満の人は心疾患リスクが高いが、ひとたび高血圧や冠動脈疾患になると痩せた人よりも経過が良好であるという検討結果。
理由として、
・肥満者は疲労感や呼吸困難などで早期に受診し、疾患を早期に治療することができると思われる
・体重のある人ほど疾患と闘うエネルギーの蓄えが大きいことも考えられる
・肥満者は肥満でなければ心疾患を発症しなかったはずだが、痩せた人が心疾患に罹患するのは別の理由があり重症になる可能性が高い

としています。( J Am Coll Cardiol. 2009 May 26;53(21):1925-32 )

こういうのを読むと太っているのがいいのやら痩せているのがいいのやら混乱してくることもありますが、肥満はさまざまな生活習慣病の巣窟であることには違いありません。
たった一つの情報に惑わされず、幅広く知識を蓄えていくことが健康維持のために大切です。



         □ 関連記事  医療情報Pick Up  16


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