野口内科 BLOG

  野口内科は鹿児島市武岡に開業して46年を迎えました。
  当ブログでは、当院からのお知らせ、医療・健康に関する情報の他に、近隣の話題、音楽・本のこと等を綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:00 (金曜は〜18:30)
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
    院長   野口 仁

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風疹

≪ 過去記事ウォッチング 28 ≫


注射2022年3月末までの予定で実施される予定だった成人男性を対象とした風疹の抗体検査及び予防接種 ( 風しん第5期定期接種 ) 事業が1年間延長されました。

1962年 ( 昭和37年 ) 4月2日から1979年 ( 昭和54年 ) 4月1日までに生まれた男性を対象とした非常に大切な事業です。
なぜ大切なのかは、当ブログ「風疹検査のクーポン、積極活用を」をご覧下さい。

世の中は、新型コロナウイルス ( COVID-19 ) とウクライナ情勢の報道が大半を占めていますが、これから生まれてくる世代の子供たちを守るために、対象年齢でクーポンを活用していない方は是非医療機関を受診してください。

風疹の拡大防止策として、対象年齢の男性に無料で抗体検査や予防接種を受けていただけるクーポンが配られています。
このクーポンの利用率が低迷しているという報道が先週ありました。( → こちら )
鹿児島市でこの制度の開始が7月1日からと遅かった影響もあり、鹿児島県での利用者数は九州の中でも2番目に少ない数字となっています。

採血風疹で最も問題なのは、妊娠20週頃までの妊婦さんが罹った時に胎児に先天性風疹症候群 ( CRS ) を起こす可能性があること。
風疹を蔓延させないためにも、クーポンがお手元に届いた方は必ず検査を受けて、小さな命を守りましょう。
19年度の対象者は、昭和47年 ( 1972年 ) 4月2日から昭和54年 ( 1979年 ) 4月1日の間に生まれた男性です

詳しくはこちらの記事を参考にして下さい。( → 「鹿児島市の成人男性の風疹抗体検査について」)



参考 → 「鹿児島市の19年度の予算案に風疹対策」「流行中の風疹、鹿児島でも」「風疹予防摂取の重要性

鹿児島市では、19年度から風疹の追加対策を始めています。
風疹の予防接種を受ける機会のなかった昭和37年 ( 1962年 ) 4月2日から昭和54年 ( 1979年 ) 4月1日の間に生まれた男性が対象です。

採血3年間かけて行われる対策で、本年度は昭和47年 ( 1972年 ) 4月2日から昭和54年 (1979年 ) 4月1日までに生まれた方に対して、6月下旬にクーポン券が発送されました。
届いたクーポンを指定された医療機関に提出し、まず風疹抗体検査を受けていただくことになります。

当院では、風疹 IgG, CLEIA法で調べます。
この数値が 20 IU/ml 以上あれば、免疫が十分にあると判断されます。
20IU/ml 未満なら、免疫をつけるための予防接種をMRワクチンにて行ないます。
抗体検査も予防接種も無料で受けられます。

風疹で最も問題になるのは、妊娠20週頃までの妊婦さんが罹った時に胎児に先天性風疹症候群 ( CRS ) を起こす可能性があることです。
CRSは、心臓の奇形・白内障・難聴を三大症状としますが、血小板減少や動脈管開存症、発育遅滞、精神発達遅滞なども起こし得ます。
この疾患は根本的な治療がありません。
風疹自体にも治療法がありませんので、予防接種が非常に重要となります。

風疹を蔓延させないためにも、クーポンがお手元に届いた方は必ず検査を受けて、小さな命を守りましょう。


参考 → 「鹿児島市の19年度の予算案に風疹対策」「流行中の風疹、鹿児島でも」「強力な麻疹 ( はしか ) の感染力」「風疹予防摂取の重要性

昨日の新聞に、鹿児島市の19年度の当初予算案が示されていました。
その中で2つの風疹対策が目を引きました。

予防注射一つは、過去に予防接種を受けなかった7~19歳を対象に、はしか・風疹混合ワクチン ( MRワクチン ) の無料接種を3年間実施するというもの。
無料接種は夏ごろから始める予定らしいですが、対象者を約8500人と見込んでいるようです。
未接種の方、かなり多いんですね。

もう一つは、39歳から56歳の男性約6万4千人に無料で風疹の抗体検査を3年間実施するというもの。
事業所での健診や特定健診の機会を想定しているようです。

いずれも大事な施策です。
まだ議会を通ったわけではありませんが、この機会をおおいに活用して下さい。


参考 → 「流行中の風疹、鹿児島でも」「強力な麻疹 ( はしか ) の感染力」。

今年の春先は麻疹が流行しました。( → 強力な麻疹 ( はしか ) の感染力 )
今は、関東や東海地方を中心に風疹の流行が続いています。
今月14日までに1289人の発症が確認され、去年の13倍以上になるに至り、米国疾病管理予防センターは、予防接種や過去の感染歴がない妊婦は日本に渡航しないよう22日に勧告を出しました。
恥ずかしい限りですね。

25日になって、とうとう鹿児島県においても風疹患者が1名確認されたと発表がありました。
薩摩川内市の40代の男性だということです。
流行地域への渡航があったのかどうかなど詳しい情報が知りたいところです。

ちなみに、薩摩川内市は2013年の流行時にも鹿児島県内で最も多くの患者が確認された地域です。
当時のブログに先天性風疹症候群のことなどに簡単に触れていますので、参照してみて下さい。

風疹の予防接種の重要性
風疹、鹿児島は要注意です

妊婦また、NHKでは以前から「ストップ風疹」というプロジェクトを続けています。
今回も非常にわかりやすい1分の動画を公開していますので、是非ご覧になって下さい。( → 「ストップ風疹」感染拡大を防ぐには(ショート動画))
この動画については、ツイッター上で「どうぞ、ご自由に使って下さい」とありましたので、今月から始めたばかりのデジタルサイネージにおいても活用させてもらっています。( 10月からデジタルサイネージ、開始してます )

流行が拡大する前に、妊娠を希望される女性やその周囲の方々は、抗体検査やワクチン接種を積極的に行って下さいね。

感染最近、エボラ出血熱やデング熱といった感染症のニュースが続いています。
いつもこのような騒ぎの時に、正しい情報がある程度伝えられているにも関わらず、必要以上に不安に思われたりデマを真に受けたりする方がいらっしゃるように思います。
的確に判断する能力が問われます。

一方で、昨年から続く風疹や麻疹の流行には全く危機感を抱いていないのではないでしょうか。
エボラやデングといった濁点の入ったカタカナ語には力強さがありますし、聞き慣れないため得体の知れない恐怖感を覚えるのかも知れません。
風疹、麻疹は昔からある言葉ですし、濁点も入っていないので何となく耳に優しく感じます。

言葉は長い間使われていると、価値が変わってきたり失われたりする不思議な側面を持っています。
例えば「貴様」は本来は尊敬語であったはずですが、今は値打ちがありません。
「らい」という疾患名も歴史的背景が積み重なって今は差別用語とみなされています。
夜の繁華街で「社長 !!」と声を掛けられてもちっとも嬉しくありません。

言葉には使われ続けているうちに変容してしまう不思議があるのですが、風疹や麻疹は昔からとても恐れられていた疾患です。
あまりに耳にする機会が多い言葉なので警戒感が薄くなっているかも知れませんが、今でも罹ってしまうと悲劇を招きかねない病気であることを忘れないでくださいね。

灰〖 今月のつぶやきから 23 〗


今日の天気予報は「雨か雪」となっている鹿児島。
11月に雪の予報が出るなんて極めて異例です。
実際、寒い日が続いており、ぼちぼちインフルエンザ発生の情報も入ってきています。
当院では今シーズンのインフルエンザの患者さんはまだいらっしゃいませんが、体調には十分気をつけてください。
予防接種もお早めに済ませておいて下さいね。

月末に1ヶ月の twitter 上でのつぶやきの中からいくつかをピックアップしている「今月のつぶやきから」。
今月は、いつも以上に地元鹿児島に絡めてのものが多かったように思います。
医療とは関係ないものもありますが、そのいくつかをまとめて紹介します。







風疹〖 今月のつぶやきから 18 〗


今月の twitter では川薩地区での風疹流行についてがいくつかありました。
本当に危機的で好転する気配がありません。
今後も情報発信をしていこうと思いますのでチェックして下さいね。





その他、たくさんのリツイートをいただきましたが代表的なものを4つだけ紹介しておきます。



2月にも当ブログでも話題にしたのですが、風疹の流行が止まるところを知りません。

私自身、3歳の時に罹患しています。
おでこに氷嚢をのっけられて寝ているところに、遊びに来た近所の友達に対して
母が今日は遊べないと告げていた場面を覚えています。
どんな症状であったかさっぱり覚えていません。
流行の中心である成人では症状が重いとされていますよね。

風疹鹿児島では風疹の患者がかなり多く報告されています。
最新の情報はこちら ( → 風疹累積報告数の推移 ) をご覧いただきたいのですが、これをみると都道府県別の報告数では鹿児島は 5位ですが人口比でみると 3位なのです。
ゴールデンウィークで人の移動が多かったことも懸念されています。
風疹の潜伏期間は 2-3週間とされていますので、今月後半から患者が増えるのではないかと予想されているのです。
実は医師になってから成人の風疹の患者を診察したことはありません。
今回の流行においても診ないで済むように願っています。

ワクチンが唯一の予防策ですが、現在風疹単体のワクチンは品切れで9月まで入手できません。
代わりに麻疹・風疹ワクチンの接種が勧奨されています。
ただ、料金が高くなるのは申し訳ない点です。

ワクチンに対して時にネガティブな面ばかりを強調する傾向の強いマスコミが、今回は先天性風疹症候群などを丁寧にレポートしてくれています。
特にNHKが積極的で、ストップ風疹というキャンペーンを張っていますね。
是非参考にしてみてください。

胃透視〖 今月のつぶやきから 15 〗


今月ほどつぶやきをたくさんリツイートしていただいたり、お気に入りに登録していただいたりした月は過去にありません。
どなたにどこまで届くのかわからないささやかな医療情報。
少しでも有用だと思っていただける方がいる限り続けていきたいと思います。
月末恒例ですが、反響の大きかったつぶやきの一部を紹介します。








都会を中心に風疹が流行しているというニュース、皆さんも見聞きしたことと思います。
報道を知った男性の方が先日予防接種を受けに来られましたけど、こういう問題意識の高い人はまだまだ少数派。

風疹で一番に問題になるのは妊婦さんが罹った時に胎児に影響を及ぼす可能性があるということ。
先天性風疹症候群 (CRS) と言って心臓の奇形、白内障、難聴を三大症状とするもので、昨年秋から6例もの報告があったそうです。

注射今回の流行では風疹ワクチンを打つ機会さえなかった世代を含む20~40代の男性が圧倒的に多いという特徴があります。
そもそも風疹ワクチンはCRSを防ぐ目的で昭和52年から女子中学生に限った定期接種が始まりました。
しかし不活化ワクチンでついた免疫はだんだん効力が落ちてくることもあり、免疫のない夫が感染しそれが妻に波及するというパターンが多いのではないかと思います。
日本のワクチン体制のお粗末さが今の流行を生んだと言っても過言ではありません。
お子様を希望される男性は積極的に予防接種を受けてくださいね。

また、麻疹・風疹ワクチンは本年度まで中学1年生と高校3年生は補足的な追加接種を受ける必要があります。
2回接種でしっかり免疫を維持するためにも大切なこと。
3月末までなので接種がまだの方、お忘れなく。 

jw8kkscv.gif本日、連休明けに鹿児島で20代の麻疹 (はしか) 症例の届出があったことが報告されました。

平成18年から麻疹・風疹混合ワクチンは 2回接種するようになりました。
また 5年間の経過措置としてこの 4月から中学 1年と高校 3年での定期接種が始まっております。
定期接種対象外の方もご希望により接種可能です。

時に死亡することがある怖い病気ですが、予防接種で撲滅可能な疾患です。
一度かかればもう発症しないから早いうちにかかっちゃえ、みたいな意識はありませんか ?


         □ 関連記事  ワクチンに関して 1はしか流行


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