2010092208332331189.gif ◆ 診療所ライブラリー 54 ◆


精神科領域の疾患に流行り廃りがあるとは、以前紹介した本に記載されていたことですが、この本のタイトルにあるような自己責任を認めず他罰的な言動を起こす人々が目だって増えてきたのは確かにここ数年の話です。

著者の定義する「悪いのは私じゃない症候群」に属する人たちのケースを具体的に提示し、そのような人が増えてきた背景として、日本に突然入り込んできた競争原理や市場万能主義等の社会的要因と、自分は安全なままに他人を責めることのできるネットの発達を挙げています。

2006年に刊行されたこちらの本では、社会と折り合えず自分を見失ってしまった人向けに書かれていましたけど、そういう人は少数派になりつつあるのでしょうか。


  →悪いのは私じゃない症候群