野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して43年の野口内科です。
  医療・健康に関する情報はもちろん、近隣の話題、音楽・本のことなどを綴ってまいります。

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鹿児島

灰〖 今月のつぶやきから 23 〗


今日の天気予報は「雨か雪」となっている鹿児島。
11月に雪の予報が出るなんて極めて異例です。
実際、寒い日が続いており、ぼちぼちインフルエンザ発生の情報も入ってきています。
当院では今シーズンのインフルエンザの患者さんはまだいらっしゃいませんが、体調には十分気をつけてください。
予防接種もお早めに済ませておいて下さいね。

月末に1ヶ月の twitter 上でのつぶやきの中からいくつかをピックアップしている「今月のつぶやきから」。
今月は、いつも以上に地元鹿児島に絡めてのものが多かったように思います。
医療とは関係ないものもありますが、そのいくつかをまとめて紹介します。







 ● 薬の説明書のイラスト 164 ●


例年より早く梅雨入りした鹿児島。
食中毒が多くなる季節でもありますので気をつけて下さいね。

6月からの薬の説明書のイラストは水たまりです。
雨靴を履いた子供はどうして水たまりに入りたがるのでしょうか。
多分雨靴を履いた時点でそういう行為が許される思うのでしょうね。

ちなみに「水溜」という姓の方、鹿児島の特に南薩方面にいらっしゃるんですよね。
神戸時代には「洪水」という名字にびっくりしましたが。


名称未設定 1

  ○○ 学会レポート2013 その3 ○○


腹痛3月21日午後に参加したワークショップのお題は「過敏性腸症候群 ( IBS ) に対する新規治療法」。
IBSを積極的に研究対象としている施設がまだまだ少ないので、演題数は多くなかったものの、それぞれの発表はとても聞き応えがありました。

中でも興味を引いたのは、小腸における胆汁酸の吸収障害の関与。
朝食後に症状が強い難治性の IBS の中に、胆汁酸の吸収障害が原因となっている下痢が存在するケースがあるそうです。
この場合、コレステロールの治療薬でもあるコレスチミドの投与で速やかに症状が改善するという話でした。
コレスチミドには腸の中の胆汁酸と結合するという働きがあるのです。
検査法が特殊なので一般の病院での診断は難しいでしょうが、 現在 IBS とみなされている病態の中には独立した疾患が存在する可能性があるわけですね。


あと、直接聞けなかったのですが、糖尿病治療薬であるメトホルミンによって胃癌細胞の増殖が抑制されるという一般演題が2つありました。
メトホルミンは消化器系では大腸・肝・膵などの癌抑制効果が示唆されています。 
私が以前、研究対象の一部にしていた HER2 ( Human Epidermal growth factor Receptor type2 ) という物質の抑制作用があるようです。
HER2の働きが抑制されるのであれば、他の癌への作用も期待できると思います。


地元開催ではありましたが、仕事の都合で全ての日程に顔を出すことができませんでした。
残りの2日も参加したかったな、と思わせる充実した学会ではなかったでしょうか。
また鹿児島で開催される日が来ることを期待します。 

  ○○ 学会レポート2013 その2 ○○


除菌今回の消化器病学会、参加できたのは初日だけでしたが、貴重な情報を多く得ることができました。

午前中に聞いたのは「HP除菌後の病態と対応」。
HP とはヘリコバクター・ピロリのことです。
日本でピロリ菌除菌が保険適用されたのが2000年11月のことでしたから、12年余の歴史がありますが、除菌後の消化管の病態変化について長期にわたるデータがかなり蓄積されてきました。

除菌すれば胃癌はかなり防げるのですが、ゼロとはならないことが知られています。
除菌が高齢で行われた場合、萎縮が強い場合、胃潰瘍がある場合、腸上皮化生がある場合などでリスクが高いことが報告されていました。
また、除菌後10年を越えて胃癌を生じたケースもあることなどから、除菌後5-8年までは毎年、その後は隔年で内視鏡検査をすべきではという提案もありました。
除菌後の適切な胃の検診のタイミングについて、やがて意見が集約されることでしょう。

また、除菌による酸分泌上昇により懸念される逆流性食道炎についての演題もありました。
内容については省略しますが、提示された内視鏡写真について一言。
学会で発表される胃の内部の写真は胃液などの付着のないきれいな物が多いのに、逆流性食道炎の診断に重要な食道胃接合部の写真はお粗末な限り。
あれじゃ正確な診断はできないでしょう、と場末の内視鏡医が嘆いてしまうようではだめです。

参考 → 胃食道逆流症の検査には経鼻内視鏡 

  ○○ 学会レポート2013 その1 ○○


学会02第99回日本消化器病学会総会が、昨日から23日まで鹿児島で開催されています。
折角の地元開催ですが、仕事の都合で参加できるのが21日だけなのがちょっと残念です。
1日だけではありましたが、収穫が多かったのでまた改めてレポートしたいと思います。

会場の一つ、城山観光ホテルには溢れんばかりの参加者。
ホテルまでの坂を歩いている人が結構いたのにはびっくりしました。
ホテルの庭では桜島をバックに写真を撮る若い医師達がいてほほえましかったです。

写真は会場で配られるバッグにあしらわれたイラスト。
今回会長を務めた地元大学の教授と同郷の黒鉄ヒロシ氏の手によるものだそうです。

 ★ 診察室のデスクトップ 26 ★


今シーズンは寒い日が多いですね。
鹿児島は南国で雪とは無縁と思われがちですが、毎年のように雪が降ります。
九州の県庁所在地の中では積雪量で一番の記録を持っていることは以前も記事にしました。
今シーズン、初雪は観測されましたが市街地で雪が積もることはまだありません。

今回選んだ写真は「診察室のデスクトップ 18」ので使ったものの翌日の庭の様子なので、ちょうど3年前のことになります
花壇に挿した小さなオーナメントの人形が両手で雪を抱えているように見えますが、どれだけ雪が積もったかもわかっていただけるのではないでしょうか。

雪

なでしこジャパンの澤穂稀選手の体調不良の原因が良性発作性頭位めまいであることが報道されていました。

BPPV-2典型的な症状は朝起きたときに回転性のめまいが30秒前後続き、その後も特定の体位で同様の症状が出現するというもの。
この疾患の原因なんですが、イラストをご覧ください。
耳の奥にある三半規管の中はリンパ液で満たされていますが、頭を動かすと液体がずれるというのはわかりますね。
三半規管の一方の根元は膨らんでいてそこにうちわの様な形をした神経があります。
これがリンパ液の動きをキャッチして脳に情報を送ります。
この三半規管の中に普段は前庭部にある耳石が迷い込んだり、このうちわにくっついたりして正しい情報が送れなくなるのが原因とされています。

私の外来でも月に1~2例は必ずお目にかかる決して珍しい疾患ではありません。
あまりに多く遭遇するので内科医ながら眼振検査と治療法を体得し、なおかつ患者さん用にパンフレットを準備しているくらい。
生涯有病率は2.4%とされています。
問診と簡単な眼振検査で診断が可能で、それに引き続き Epley法や Lempert法と呼ばれる頭と体をくるくる動かしていく理学療法を実施します。
この方法で細い
三半規管から耳石が逃げてくれれば症状は消失します。

頭部に強い衝撃を受けるのもこの疾患を引き起こす原因の一つとも言われていますので、ヘディングなどが影響したのかも知れませんね。
以上、内科医の即席解説でした。

さて、彼女の所属する INAC神戸は今週末から鹿児島でキャンプを行ないます。
元気な姿でグラウンドを駆け回っていることを期待して私も練習の様子を見に行こうかな。 

 ★ 診察室のデスクトップ 18 ★ 


今週はとても寒く、雪も降るのではないかと予想されている鹿児島。
南国のイメージがあると思いますが、桜島より西の薩摩半島側は案外雪が降ります。
九州の県庁所在地で比較すると積雪量の記録を持っているのが鹿児島市で、昨年の正月は25cmも積もっちゃいました。

今回のデスクトップ画像は雪景色を選んでいますが、これは2010年に撮影したもの。
武岡で最も眺めのいいのではないかと思っている場所からの写真で、西陵の住宅街や指宿スカイライン武岡下公園等が雪に覆われている様子を記録したものです。


雪景色


 ● 薬の説明書のイラスト 90 ●


今回の薬の説明書のイラストは茶摘み

鹿児島県のお茶の生産量が静岡に次いで第 2位であることは意外と知られていないようです。
だいたい静岡の一番茶の価格を抑える目的で、鹿児島の二番茶を静岡に持っていってブレンドするなんてことやってるからブランドを構築できないのです。
お茶の消費量も減ってきているとか。
春から新生活を始めた若い人たちで急須や湯飲みを買いそろえた人がどれだけいるのでしょうか。
一方でハワイの知り合いに知覧茶をプレゼントするととても好評。
ハワイの日本人コミュニティにおいて知覧茶の評判はすこぶるいいようです。
ちょっとしたヒントを出したつもりでいるのですが、生産者もお茶をいかに飲んでもらうか知恵を絞らないといけない時期に来ていると思います。



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8ogt7j2r.gif10万人あたり3.9人。
これは最近発表された2007年の鹿児島県における気管支喘息での死亡の割合を示しています。
2004年は5.6人でしたから 3割も改善している・・・と喜んではいられません。
というのもこの数字、2004年は都道府県順位で最下位、2007年でも46位なのです。
ちなみに2007年の 1位の県は1.2人ですから 3倍以上の開きがあります。

原因は様々なことが言われています。
元々南国は喘息の罹患率が高いとか、鹿児島は高齢の患者さんが多いからとか。
しかし喘息の患者さんが不十分な治療で発作をしっかりコントロールできていないのではないか、そういうことも考えられます。
万年下位を返上すべく、鹿児島の呼吸器科の医師たちを中心に鹿児島ぜんそくネットワークなるものを立ち上げ、医療連携などを通しての努力を行なっています。

喘息は吸入ステロイド薬による日々の予防が基本中の基本。
この吸入薬の使用率の低い県ほど喘息の死亡率が高いこともはっきりしています。
医師も頑張っていますので、治療を中断することなくしっかりコントロールしていきましょう。
喘息は放置すると死につながることのある怖い病気ですから。


kjxkysko.gif ◆ 診療所ライブラリー 27 ◆


雨が続いていても油断のできない紫外線の多い時期になってきました。
そこで今回紹介するのがこの本。
著者はこの分野の専門家で、私が学生時代に講義を受けた先生でもあります。

講義で印象に残っているのは、中学生になったらもう日焼けなんかするもんじゃないと言っていたこと。
日焼けは健康美とされ日焼けサロンも普及し始めた頃で、鹿児島出身ながらやや色白なことにちょっぴり引け目を感じていた私にはなぜか心強いお言葉でした。
そんな先生の本ですから、親の責任で子どもを紫外線の害から守って皮膚の光老化を早めないようにすることも強調されています。
先生の研究には、秋田と鹿児島の人を比較し、鹿児島の人にシミが多い事を証明したものもあります。
鹿児島の夏の日差しは確かに肌に痛いです。

実は、紫外線は体に悪影響を及ぼすだけの存在ではありません。
ビタミンDが活性化するのに紫外線が必要で、濃度が低いと骨粗鬆症につながる可能性がありますが、最近は心血管系の疾患との関連性を示すデータも次々に出てきています。
肌の色や住んでいる緯度、季節等の因子でビタミンDの濃度も変化するようです。
ですから、夏季に低緯度地域に旅行するのと冬季に高緯度地域に行く場合とか、色白の人と地黒の人の場合とか、状況に応じて紫外線への対応を細かく変化させる必要もあるのでしょう。

何はともあれ読みやすい本ですので、当院のライブラリで一度手にしてみてください。


( ライブラリ充実のために .. ご協力いただければありがたいです )  → 紫外線Q&A―お日さまと仲良くつき合う方法 (CMC books)

qqdkjqds.gif4月から始まった後期高齢者医療制度の新しい保険証が本人に届いていない人数、不名誉ながら都道県別で鹿児島県は4位でした。

昨夏の建築基準法改正もそうでしたが、最近の国は、周知・準備期間を十分確保せずに事を進めていこうとする傾向が強く、それが現場に混乱を招いているように思います。
新しい保険証が手元になくても、従来通り医療機関を受診できるよう措置を取りましたが、現場ではレセコンをまた対応させなくてはいけません。

何かと問題点を指摘されているこの医療制度を「姥捨て山」になぞらえた人もいます。
小説「楢山節考」等で知られる姥捨て伝説ですが、そんなものは存在しなかったとする説を「『姥捨て伝説』はなかった」という本で読んだことがあります。
長野にある姥捨山も実は霊験あらたかな場所であったという事を著者と上岡龍太郎の対話形式で説いていきます。
興味ある方は読んでみてください。


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